2020年06月12日 1628号

【ひだんれんがアンケート呼びかけ コロナ危機が避難者生活悪化に拍車】

 新型コロナウイルス、緊急事態宣言の影響で原発事故避難者の生活状況悪化が懸念される中、ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会)など3団体は5月27日、北海道・福島・東京で実態把握のための緊急アンケート調査を呼びかけた。福島県内外の避難者らを対象にインターネットによる調査。6月中には集約して、避難者の実態に基づく要求を国や福島県につきつけ、緊急対応策を求めていく。

 東京・衆院第2議員会館の記者会見には、ひだんれんから村田弘さん、熊本美彌子さんが出席。村田さんは「原発事故かながわ訴訟原告のうち正規職は約3割でほとんどが非正規。住宅の無償提供打ち切りと合わせて大きな打撃を受けている。福島県に実態把握を要請したが、進んでいない。今回のアンケートで一人でも多くの声を行政に届け、県交渉でつめたい」。

 熊本さんは「コロナ危機の中、福島県は避難者追い出し訴訟で福島地裁に出向かせようとしたり、引っ越しできない避難者に2倍相当分の家賃請求書を送りつけたり、人道的にも許されない。避難者には高齢や精神障がい、母子生活者が多く、正規の職に就くのはむつかしい。せめて安定した住居の確保を」と訴えた。

 呼びかけ団体の避難の協同センター・瀬戸大作事務局長は、5月に福島・浪江町から南相馬市の復興公営住宅に県内避難した60代の男性が孤独死した例を挙げ「行動規制下で見守り訪問が遅れた問題が指摘されている。首都圏でも福島出身者のSOSの例がある。避難者の厳しい経済事情にコロナ危機が拍車をかけており、アンケート結果に応えて緊急対策を」と求めた。

 検索は「避難者緊急アンケート」。避難の協同センターのホームページから「アンケートの回答」へ。緊急の支援、相談を求める避難者は、同ページから対応につながることができる。

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS