2020年06月19日 1629号

【みるよむ(558)2020年6月6日配信 イラク平和テレビ局in Japan イラクの市民蜂起と 真実を伝える新聞】

 イラクでも、新聞が少しずつ姿を消し始めている。他の国々同様、インターネットを通じたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が広がっているからだ。2020年2月、サナテレビはこの問題について3人のジャーナリストに意見を聞いた。

 最初に登場するジャーナリストは「新聞はだんだんと減っています」と心配する。だが、「フェイスブックには確かに華やかな面があるが、見直したり、引用したり、議論したり、意見を述べたりするなど、全体をまとめる能力は新聞ほどはない」と指摘する。

 2人目のジャーナリストも「新聞は毎日の政治や社会や文化や経済の出来事についての重要な記録だ」と言う。そして、新聞が昨年10月以来の市民蜂起を支持するように呼びかけて「民衆蜂起を実際に支えて助けた」と力説する。真実を伝え社会の問題点を提起し権力を批判するジャーナリズムの原点が伝わってくる。

真実伝える社会主義勢力

 注目してもらいたいのは3番目のジャーナリストの言葉だ。「イラクの共産主義者は、平和的な抗議行動を通じた社会変革を支持し、市民蜂起をはじめとした民衆の闘いの実像を捻じ曲げずに伝えることができた」と語る。「腐敗を生み出し市民生活を破壊する政治体制に対し、変革を求める若者の闘いを伝えている」とも述べている。
 サナテレビ番組や本欄でも、イラク労働者共産党機関紙の記事や声明などの情報を紹介している。民衆の立場に立ち社会を変革する社会主義勢力こそが勇気をもって真実を明らかにし闘いを提起している。

 イラクのジャーナリスト、マスコミ労働者は、政府当局や権力者の弾圧の中で社会の不公平や政府の腐敗を暴いてきた。社会主義をめざす勢力も重要な役割を果たしている。日本から連帯していきたい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

 
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