2020年06月26日 1630号

【福祉バス廃止予算は可決されたが 市民の声届け続ける 大阪府交野市議 松村ひろ子】

 昨年、黒田市長から市の審議会に「ゆうゆうバス」=福祉バス廃止前提の諮問がなされましたが、11月の第3回審議会で市の案が前代未聞の否決となりました。にもかかわらず、市は12月に同様の案を表明し、3月議会で、否決された原案をそのままにした予算案を提出してきたのです。

 市の案が、福祉バス(外出支援策)の利用者である高齢者・障がい者に対して十分配慮したものとなっていないため、市老人会連合会・障がい者8団体の方々を中心に、9970筆の署名と「ゆうゆうバス廃止についての請願」が市長に提出されました。

 請願の内容は、(1)交野(かたの)市はゆうゆうバスの廃止を1年間棚上げすること(2)行政・事業者・市民が共同して「公共交通計画」を1年間集中的に検討・策定すること(3)ゆうゆうバスのあり方はその中で検討すること、でした。

 請願を実現するための市民集会が2月22日に開かれましたが、交野市ではびっくりするくらい多くの300人近くの市民が集まり、集会参加の市議会議員も半数を数えました。

 3月議会では、松村を含む無所属議員と共産党で、一般会計予算についてゆうゆうバス存続の予算修正案ならびに附帯決議を提出しましたが、いずれも全体15名中賛成5名で否決されました。とりわけ、ひどかったのは維新の会です。市民集会に一度は参加し、しかも自分たちも言っていたのと同一内容の附帯決議を市政与党の他会派と相談し取り下げるなど、どこを向いて議会活動をしているのか疑問を持たざるを得ません。

 外出支援の当事者の声を無視した市の進め方、審議会の形骸化、市政運営の非常識さに驚きを隠せません。このような市政運営がまかり通ってしまうようであるならば、市のあらゆる諮問機関が市の追認機関や形だけのものになってしまいます。今後も、市政運営のあり方を議会でチェックしていくとともに、市民の声が届く市政の実現に向け活動していきます。

(写真)ゆうゆうバス廃止ストップの集会
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