2020年06月26日 1630号

【命と生活の要求実現へ/ZENKOが中央要請行動/内閣官房コロナ対策推進室と初交渉】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は6月11日、軍事や原発ではなくコロナ対策に十分な公費を充てるよう求めて中央要請行動を実施した。要請先は内閣府、防衛省、原子力規制庁、資源エネルギー庁、厚生労働省、文部科学省の6府省庁。厚労省・文科省へは、3月23日内閣官房に全省庁を横断する形で設置された新型コロナウイルス感染症対策推進室を通じての初の交渉となった。

 内閣府には、PCR検査拡大などを要求する緊急署名2108筆を提出。合わせて、検察庁法改定案を継続審議ではなく廃案とするよう迫った。担当官はPCR検査について「希望する人が受けられればいいと思う」と口にした。

PCR検査拡充で追及

 参院議員会館で行われた感染症対策推進室交渉では各省の職員多数が対応した。

 厚労省は焦点のPCR検査について「PCRは1日2万7千件以上、抗原検査は2万6千件行える」と回答。相談者の数%しか検査していない実態を取り上げ、「無症状感染者が多い中で不安な市民、対人接触が不可避な労働者の検査を可能にしなければ、感染拡大対策として穴になる」と指摘したのに対しては、「医師の判断は不可欠で、無症状者の検査は濃厚接触者以外むずかしい」と有症状者に絞る姿勢に固執した。新たに取り入れられた唾液検査も有症状者に限定している。

 休業補償では「雇用保険臨時特例法により、休業手当を受け取れない労働者が直接申請できる制度を設けた」とした。中小企業労働者救済の声は反映されたが、一方で「休業手当を払わない企業を指導し、労働基準法違反として取り締まるのが厚労省の仕事ではないか。この制度が違法行為に悪用されてはならない」との指摘には、「今後検討したい」としらばくれた。

介護崩壊を許さない

 介護崩壊の危機に関しては「感染防止のための物品購入や最前線で対応にあたる労働者への支援を行う。介護報酬の基準を緩和する。介護職への慰労金を1人5〜20万円給付する」など現場の声を一部受け入れたものの、施設閉鎖も出る中すべてが後手後手。大阪からスカイプ参加した介護従事者らは「感染とのぎりぎりの緊張の日々」「介護報酬改定も私の小規模事業所では全体5万円、1人数千円が実態。まず大幅引き上げを」と追及した。

 文科省は、教員へのPCR検査の要求に「一律に行うことは考えていない」。参加者の「子どもから大人、子ども同士の感染ルートは確認されていない。教員の検査徹底でこそ、安心して子どもに接触でき、感染も防止できる」との批判には、「ごもっともです」と答えた。

 まとめの集会で、ZENKOの山川よしやすさんは「コロナ対策は政府に任せておけない。いま声を上げれば、変えられる」と訴える。福島みずほ参院議員(社民党党首)がかけつけ「(コロナ対策事業を)政府と癒着した企業が特需にしている今こそ、透明性・公平性が必要。自己責任の新自由主義、一握りのためのグローバリゼーションではなく、社会民主主義の政策を実現していきたい」とエールを送った。

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