2020年07月17日 1633号

【米国予備選/18年の勝利の上に積み上げる/民主主義的社会主義が浸透】

 連日5万人を超える新型コロナ新規感染者を数える米国。そんな中で、大統領をはじめ連邦議会や州議会の議員などを選ぶ一斉投票日(11月3日)にむけ、民主・共和両党の候補者選びが進められている。

 6月23日、ニューヨーク州とケンタッキー州で民主党候補を決める予備選挙が行われた。DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)が支持する候補者は、ニューヨークでは連邦議会下院議員と州議会議員、ケンタッキー州では最大都市ルイビル市議会議員の候補者指名を争い、既得権にあぐらをかく民主党主流派にとって替わる勢いを示している。

 8月4日にはワシントン州とミズーリ州で予備選が実施される。DSAはワシントンで下院議員、ミズーリで州議会議員の支持候補者勝利をめざしている。DSAの声明(6月26日)を紹介する。

 バッファロー(ニューヨーク州西部)とニューヨーク市、ケンタッキー州で、連邦議会から市議会に至るまで、DSAが支持する候補者11人が予備選に立った。

 まず我々は、民主主義的社会主義者として優れたリーダーである連邦下院議員アレクサンドリア・オカシオコルテス(AOC)とニューヨーク州上院議員ジュリア・サラザール両人の再選を祝福する。2018年、2人の勝利は支配階級とニューヨーク市の民主党主流派に痛打を与えた。そして今回の勝利は、民主主義的社会主義がさらに浸透し、それはこの2つの選挙区に限らないことを示した。

 連邦議会下院では来年、DSAが支持するジャマール・バウマンがAOCとともに肩を並べるだろう。彼は、30年以上議席を守る現職エリオット・エンゲルに2桁のリードを保っている。黒人教育者であるバウマンは建国以来続く人種差別根絶にむけた「再生政策」を掲げている。警察予算の停止、労働者階級を力づけるメディケア・フォー・オールやグリーン・ニューディール、大学授業料無償化の実現などだ。

政治を変える勢力へ

 DSAの各支部は全国で、重要な選挙戦を闘ってきた。DSAはケンタッキー州の最大都市ルイビルの市議会で2人の候補を支持した。また、ニューヨーク州議会では5人の候補を支えた。数万票の不在者投票が未集計なので、選挙結果を判断するのはまだ早いが、非公式の情報では我々の候補がリード、あるいは当選圏内にいることを示している。

 最終結果は何週間も出ないかも知れない。だが、全国のDSA支部がアメリカの政治の質に変化をもたらしていることが明確になった。民主党主流派と彼らに資金を提供している金持ちたちは民主主義的社会主義者の運動によって打ち負かすことができる。我々は勝利するだろう。

  2020年6月26日

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