2020年08月07日 1636号

【みるよむ(561) 2020年7月25日配信 イラク平和テレビ局in Japan イラクの契約労働者はストライキで闘うーコロナ不況による短期雇用を許さないー】

 イラクでは、コロナ不況を口実に4か月もの給料遅配が続く中、電力産業で短期雇用の繰り返しを強いられる契約労働者が闘争中央委員会を作り、座り込みストライキに突入した。2020年5月、サナテレビは現場を取材して闘いへの連帯を呼びかけた。

 プラカードや横断幕は「常勤雇用が我々の要求だ」「要求達成まで座り込みを続ける」と、ストにかける闘いの決意を伝える。

 このストの指導者であるワエル・アル・アサディさんに対し、南部電力総合会社は不当配転攻撃を加えた。労働者たちは集会を開き、「ワエル・アル・アサディに対する不当労働行為を非難し糾弾する」「契約労働者で14年以上も働いてきたにもかかわらず処分された」と怒りをぶつける。

 闘争中央委員会メンバーは「契約労働者の常勤雇用の実現、支給が遅れている賃金の支払い、労働法315条(新規契約労働者の権利を守り、最低賃金を保障する)の実行」という3つの要求を突きつける。

 座り込みに参加している労働者は「子どものミルクを買えない人たちがいます。家賃を払えず家を追い出された人たちがいます。大多数は治療のための薬を買えません。4か月間私たちは賃金を受け取っていません」と厳しい生活実態を訴える。

 闘いには、多くの他産業の労働者が連帯している。南部バスラの石油労働組合指導者、アブ・ワタン全イラク労働組合連合議長(2015年ZENKOに参加)は「私たちは兄弟である労働者ワエルと同じ立場に立ちます。はっきりと立ちます」と力強く訴える。ILO(国際労働機関)に苦情を申し立て、政府に労働組合活動の権利を守らせるように要求している。

 労働者の権利を奪うイラク政府を支えているのは、日本や米国が多額の資金を提供するIMF(国際通貨基金)や世界銀行だ。安倍政権が腐敗政権を支えることを許さず、イラク労働者との連帯を進めたい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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