2020年08月14・21日 1637号

【ZENKO分科会/NO!リニア 守れ!路線と安全/リニア阻止 組織罰創設へ/自治体・JR要請を決議】

 ZENKO「NO!リニア 守れ!路線と安全 共有財産としての交通」分科会は大阪会場13人、ズーム参加を含め2時間半にわたって報告・討議が行われた。

 前半では、リニア・市民ネット大阪の北川誠康さんが報告を行った。国がリニア建設の前提としてきた「スーパーメガリージョン構想」自体が「3大都市圏に6千万人の人口を集中させる」など非現実的であることが示された。

 JR北海道の状況は安全問題研究会の地脇聖孝さんから、またJR西日本の安全問題に関しては「JRに安全と人権を!株主・市民の会」の桐生隆文さんから報告が行われた。これらは7月4日の「ノーモア尼崎事故集会」に続くものだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大で人の移動が制限された結果、公共交通が大きな影響を受けるなど情勢が根本から変化した。後半の議論もこの変化を反映したものとなった。息もできないほどの満員電車に定期券客を押し込み、駅ビルに莫大な買い物客を集めて鉄道事業を補完するという新自由主義的な経営政策がコロナによって破たん。ウィルスまん延の温床になりかねない詰め込み主義を脱し、安全、ゆとりと質の高いサービスを維持しつつ、環境に配慮し持続可能となる公共交通のあり方をめぐって活発な論議が交わされた。

 リニアに対案を示さず、ただ反対だけではいけないとする意見も出たが、在来線の拡充で公共交通利用者に複数の選択肢が示されることが対案になるとの主張もあった。尼崎事故を起こしたJR西日本、原発事故を起こした東京電力が責任を問われないのはおかしいとして企業倫理確立を求める意見が出された。

公共交通再建へ

 最後に以下5項目の決議を参加者全員で採択。今後は決議に基づき、静岡県や北海道への自治体要請などを実現させていく方針だ。

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〈採択された決議〉

 (1)環境破壊、税金無駄使いのリニア新幹線建設を止め、3兆円を公共交通再建に回すとともに、財源を確保させよう。(2)JR北海道をはじめとするローカル線廃線を阻止し、地方破壊を止めよう。(3)JR西日本を監視し、安全と利用者本位のサービスを取り戻そう。(4)利用者・市民が決定権を持つ民主的な公共交通を確立し、新自由主義と決別するため、安倍政権、維新府市政打倒を実現しよう。JR・自治体要請に取り組もう。(5)安全と企業倫理確立のため組織罰制度を実現しよう。

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