2020年08月28日 1638号

【植民地主義の過去と現在/ヤスクニキャンドル行動/韓国・台湾とズームで結ぶ】

 「2020平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動」が8月8日、日本と韓国、台湾をつないでオンライン開催された。今年のテーマは「コロナ、オリンピックとヤスクニ」。

 東京大学大学院教授の高橋哲哉さんは「安倍政権のコロナ対応には“一定の人びとを死ぬに任せる”政治が作動している。優生思想と深い親和性がある」と批判。BLM(黒人の命を軽んじるな)運動と関連して「ベルギー国王はコンゴ植民地支配を謝罪した。フランス大統領は『植民地化は人道に対する罪』と述べていた。日本では、植民地支配そのものの罪を問う動きは政治レベルではほとんど消え失せた」と指摘する。

 「琉球処分は廃藩置県とは全く異なる独立国併合のプロセス。国際法違反の指摘もある。1950年代、米軍基地は本土の反対運動を沈静化するため、憲法番外地だった沖縄に移設された」と歴史をたどり、沖縄への基地集中は「差別、植民地主義だ」と訴えたのは「沖縄の基地問題を考える小金井市民の会」米須清真さん。福島原発告訴団の武藤類子さんは原子力緊急事態宣言下の“復興五輪”をめぐり「福島聖火リレーコースの事業はほぼ電通が福島県と契約を結んでいる。直前の中止で、県は2億5千万円を支払ったと発表。電通は五輪だけでなく福島復興事業に大きく関わっている」と明らかにした。

 韓国からは金東椿(キムドンチュン)聖公会大学教授が「日帝植民地統治と朝鮮戦争」と題して、台湾からは呉栄元労働党代表が「台湾における『白色テロル』と日本植民地支配」と題して報告。金さんは「韓国の軍・警察は日帝時代に学んだ拷問と暴力、虐殺方法を受け継ぎ、四・三事件や70年代維新体制下の諸事件、80年光州(クァンジュ)事件で再現した。朝鮮戦争は内戦ではなく、植民地主義・帝国主義の延長線上にある」、呉さんは「50年代テロルの犠牲者は推定3〜4千人。大多数は日帝植民地支配の下、日本人から受ける差別により自らの民族感情にめざめた人びとだ」と話した。

 遺族の訴えで、ノー!ハプサ(合祀)原告の李熙子(イヒジャ)さんは「安倍は人間の命を政治のやり取りの対象にしている」と怒りを表明し、他の遺族と共に「私たちの父の名前を外せ!」と書かれたうちわを振ってエールを送る。同じく合祀取り消しを求める台湾・チワスアリさん歌う『青春戦闘曲』も紹介された。「慰安婦」問題解決全国行動・梁澄子(ヤンチンジャ)さんの特別アピール、コンサートの後、『朝露』の合唱に乗せ、3か国を結んでキャンドルを揺らした。

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