2020年09月04日 1639号

【1639号主張 いま安倍政権追い込むとき 検査拡充へ声強める】

コロナ無策の罪は重い

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は8月21日に「7月末にピーク」としたが、24日には重症者の増加傾向と感染拡大再発のリスクを強調せざるをえなかった。東京、大阪、沖縄など重症者増と病床逼(ひっ)迫はなお深刻だ。

 今回の感染再拡大について国立感染症研究所は、東京の感染が全国拡散した可能性を指摘し、沖縄での感染急拡大も東京由来であると説明している。「感染震源地」となった東京や大阪の感染を放置してきた安倍、小池、維新政治の罪は重い。

 世論調査(8/22毎日)でも、安倍政権の新型コロナ対応を「評価しない」は63%。「評価する」の20%をはるかに上回る。無策の安倍政権がこれ以上続けば、かりに全国で一時の減少がみられたとしても、再々度の感染拡大は必至だ。即刻退陣させるほかない。

市民の声が政府揺るがす

 対策を求める市民・労働者の声は、安倍政権を突き動かしている。厚生労働省は、雇用調整助成金の上限額を引き上げる特例措置や、生活が苦しくなった世帯への緊急小口資金貸付について、9月末期限延長の検討を表明した。また、無症状かつ非濃厚接触者も行政検査の対象として認める通知(8/18)を発出。陽性者が出ていない医療機関・福祉施設でも、陽性者が多い地域では職員や患者・利用者が公費で検査を受けられることを明記した。

 すでに自治体レベルでは、東京都千代田区が区内の介護施設で働く職員全員を対象に3か月ごとにPCR検査を実施することを決め、一部検査が始まっている。世田谷区も「社会的検査」を掲げ介護や保育、医療従事者などを定期的に検査する方針を打ち出している。

 全国の自治体に同様の対策を働きかけ、政府に財政出動を求めるときだ。

声上げればかちとれる

 検査拡大の最大の目詰まりは、逼迫する保健所と医療提供体制にある。現在、公費が投じられているPCR検査は、感染症法に基づく積極的疫学調査(行政検査)またはあくまでその委託としての保険診療による検査に限られる。検査拡大には、検査の管理を中心的に担う保健所などの体制を拡充し、検査に伴って増える陽性者を医療管理の下で保護(隔離)・療養する専門施設などを大幅に増やす必要がある。そのために公費を大規模に投入するとともに、現行法見直しも含めた抜本的な政策転換を実現させなければならない。

 地域には、コロナ禍の生活苦や不安、政権への怒り、要求が充満している。医療、補償、給付の拡充は待ったなしだ。署名やアンケート、訪問・街頭行動で要求を束ね、政府・自治体要請行動に取り組もう。市民の力で安倍政権を即時退陣させよう。

  (8月24日) 
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