2020年09月04日 1639号

【生物多様性の宝庫 辺野古・大浦湾を守れ/日本自然保護協会が防衛省交渉/ホープスポット応援署名2万4235筆を提出】

 昨年10月、米国のNGOミッションブルーは沖縄の辺野古・大浦湾一帯を、生態系を保護すべき重要な海域「ホープスポット」に認定。日本自然保護協会はジュゴン保護キャンペーンセンターなどとともに、新基地建設工事の一時中止と再度の環境調査実施を求めるホープスポット応援署名を呼びかけてきた。

 8月21日には参院議員会館で、署名2万4235筆を提出し、ジュゴンやサンゴ、海草(うみくさ)などへの工事の影響をただす防衛省交渉を行った。福島みずほ参院議員が同席。沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんもオンライン参加した。

 このうちジュゴンをめぐっては「IUCN(国際自然保護連合)が絶滅危惧種と評価したことをなぜ環境監視等委員会の議題に含めないのか」「ジュゴンの鳴音の可能性が高いと判断される音について環境監視等委は、人工音の可能性もあるとした。こうした初歩的混乱は、工事の騒音をモニタリングしてこなかったことと関係。なぜやらないのか」などと質問した。

 防衛省側は「ジュゴンの希少性は考慮している。環境監視等委から議題について疑問は示されていない」「ジュゴンの姿や痕跡が確認されておらず、初歩的混乱との指摘は当たらない。最初のくい打ち工事の際に水中音を測定することとしているが、これまでくい打ち工事は実施していない」といった回答に終始。

 日本自然保護協会の安部真理子さんは「絶滅危惧種が相手なので普通なら工事をいったん止め、あらゆる手段を用いて探す。それができないのは不思議だ」、沖縄在住の吉川秀樹さんはズームを通じ「水中音の調査をしてきていない事実を確認できた。次にこれを使って他のやり方で声を上げていく」とコメントした。

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