2020年09月11日 1640号

【安倍政権の沖縄差別/新型コロナ対策でも】

 安倍の戦争政策は、新型コロナ対策に如実に表れた。

 沖縄県の新型コロナウイルス新規感染者は7月後半から増え続け、7月31日時点で1週間の新規感染者数が人口10万対15・31人と東京・大阪を抜いて全国ワーストとなった。玉城デニー知事は、独自の緊急事態宣言を発出。9月5日まで延長せざるを得なくなった。

 糸数公(とおる)沖縄県保健衛生統括監は「7月23〜26日の4連休の前から多くの人が来県し、クラスターを形成して急速に増えている」と指摘している。7月前倒し実施の「GoToトラベルキャンペーン」が要因の一つとなっているのは確かだ。だが、火付け役にもかかわらず安倍政権は、まともな対策を打ち出さなかった。

 急激な患者増に県医療態勢はひっ迫。玉城デニー知事は「50人規模で看護師が不足」と全国知事会に支援要請。この要請を受け、政府が示した支援策は自衛隊看護官20人派遣というもの。あとは知事会任せだ。ダイヤモンドプリンセス船上隔離に全国からDMAT(災害派遣医療チーム)まで駆り出し、感染者まで出したにもかかわらず。

基地建設には全国動員

 思い出してほしい。2016年、沖縄県東村・高江ヘリパッド建設工事強行時、安倍が行った暴挙を。

 反対住民を暴力的に排除するため、安倍は人口150人の高江地域に警視庁・5府県警から500人に上る機動隊員を即座に動員し、鎮圧しようとした。大阪府警の隊員は住民に「どこつかんどんじゃ、ぼけ。土人が」と暴言を吐き、菅義偉官房長官や安倍補完勢力・大阪維新代表の松井一郎大阪府知事(当時)は、この暴言を擁護した。

 辺野古新基地建設でも、海上保安官を動員し市民を水中に引きずり込むなど命にかかわる暴力を重ね、民間警備員費用に1700億円をつぎ込んだ。

 戦争政策遂行のため、なりふり構わぬ弾圧を繰り返した安倍だが、新型コロナ対策支援にはわずか看護官20人。これほどあからさまな民主主義破壊と差別を恥じない政権は、安倍を最後にしなければならない。
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