2020年09月25日 1642号

【1642号主張 安倍継承政権などごめんだ 新自由主義の菅にノー】

「自助」強要の菅

 9月16日、臨時国会が開かれ、首班指名をへて菅義偉(よしひで)新政権が発足した。

 菅は、めざす社会像について「自助・共助・公助」と強調する。権力が口にする「自助」とは自己責任を強要し弱者を切り捨てるもの。生存権など基本的人権保障の政治責任を放棄するのは、安倍の新自由主義路線継承に他ならない。

 菅は、「モリ」「カケ」「桜」や河井夫妻の公選法違反などの真相究明を拒み、内閣人事局により政府に反対する官僚は異動させるとまで公言。政権中枢で進めてきた隠蔽・改ざんをいっそう強めるものだ。どこが「国民のために働く内閣」か。さらに「デジタル庁」を創設し、マイナンバーカードを2年半後に全員に行き渡らせると言う。「官僚支配」「メディア支配」の上に、市民丸ごとの支配を進めようとする菅に政権を担う資格はない。

市民の命より大企業優先

 新型コロナ対策についても菅は「必要であれば、しっかり対応」と口にするのみで、検査・医療体制拡充や給付拡大、中小企業支援、には言及しない。一方、GoToトラベル推進など大企業の利益は確保する。

 しかし、現在なお感染は収まらず重症者数も高どまりの中で、インフルエンザの流行時期と重なれば、地域の医療体制が崩壊する危険性は高い。2〜8月までのコロナ関連倒産は500社に上り、コロナ解雇は5万2千人に膨らんでいる。対策は待ったなしだ。市民の声に押され各自治体での独自施策も進むが、PCR検査・医療体制拡大、休業補償は政府の責任で行わなければならない。

 市民の命を省みず民意を無視する姿勢はコロナだけではない。菅は、沖縄の民意を踏みにじり辺野古新基地建設を強行してきた。また、地元横浜市や蜜月関係にある維新支配の大阪でカジノ誘致を推進している。

怒りと闘いは広がる

 コロナ危機により、新自由主義では市民の命と生活が守れないことがはっきりした。安倍の病気への“同情”や“地方出身の苦労人、菅”などとメディアを使った支持率上昇が誘導されているが、菅が新自由主義政策を進める限り、市民生活は脅かされ、怒りと闘いは広がらざるをえない。

 オール沖縄会議は、辺野古設計変更に対する意見書の全国1万件の集中を呼びかける。横浜では林市長リコール運動が準備され、大阪でも連日街頭で都構想・カジノ反対が訴えられている。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は新たに「PCR検査拡大の緊急署名」を開始した。国会前では9月16日開会日行動で「安倍継承は許さない」と声が上がり、19日には戦争法強行5周年の19行動が行われる。市民の共同を広げ、菅政権にノーを突きつけよう。

  (9月16日) 
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