2020年09月25日 1642号
【安倍悪政をさらに進める菅新政権】
|
本音がポロリ 消費税増税必然
菅義偉(よしひで)政権が始まる。閣僚にどんな顔ぶれが並ぼうと、政策は「安倍継承。さらに進める」。ところがだ。総裁選圧勝予測に調子に乗ったのか、菅が選挙中のテレビ番組で「消費税率引き上げが必要」と口走ってしまった(9/10)。翌日、「安倍総理と同じく、今後10年は必要ない」と修正したものの、ただ継承するのではないこの政権の本質が出た。
菅はこう言っている。「これだけの少子高齢化社会で人口減少は避けられない。将来的なことを考えたら行政改革を徹底した上で、引き上げざるを得ない」
増税もさることながら、許せないのは、「人口減は避けられない」と無責任に言い放っているところだ。なぜ少子高齢化社会になっているのか。出生率低下の原因は、子育てできる環境が保障されていないからであり、それは政治の責任ではないのか。
安倍政権が掲げた「2020年度末待機児童ゼロ」は先送り。菅がアベノミクスの成果とする女性の雇用拡大。その大半は非正規、低賃金、長時間労働だ。人生設計ができる安定した労働条件を奪ってきたものが労働者派遣法など労働法制の改悪だった。少子化の原因はここにある。
弱者に自己責任迫る冷徹さ
弱者に対する政治責任を感じない菅。そのめざすものはどんなものか。総裁選所見演説(9/8)の結語で次のように語った。「私がめざす社会像というのは、まずは自助・共助・公助、そして絆であると考えております。自分でできることはまず自分でやってみる。そして家族、地域でお互いに助け合う。その上で、政府が責任を持って対応する。そうした国民の皆さまから信頼される政府を目指したいと思っています」。
まず自分で何とかしろ。究極の自己責任社会。これが菅のめざす社会であり、こんな政府が信頼されるわけがない。
まして菅は「桜を見る会」に反社会勢力を招待した。かつて暴力団関連企業から政治献金を受けとったと週刊誌が報じた(週刊新潮9月17日号)。「苦労人、真面目」と描かれる菅だが、その実像は情報と人事を操り、闇の世界ともつながる実に狡猾な人物だ。安倍の国家私物化を覆い隠してきた菅。政治責任を果たさず、自己責任を押し付ける極悪政権が誕生したことは間違いない。
いずれ実施されるだろう総選挙の争点はコロナ禍での生活保障であり、その政策だ。「まず自助」などありえない。「公助」つまり市民生活を守る政治責任が、具体的な政策が問われているのである。
|
|