2020年09月25日 1642号

【コロナ禍の中 求められた支援/京橋フードパントリーがスタート/大阪市城東区】

 9月12日、大阪市城東区で“京橋フードパントリー”がスタートした。このフードパントリーは、NPO法人ふーどばんくOSAKAを通じて、企業等から食品の提供を受け、食の支援が必要な市民へ配る取り組みだ。

 「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」のメンバーが中心となって、“京橋フードパントリー”という団体を立ち上げた。契機となったのは、地域での訪問活動などを行う中で、維新の悪政とコロナ禍によって生活が困窮した人が増えているのを知ったからだ。

 初めての試みだったが、都合がつかなくなった1世帯を除き、事前に申し込んだ25世帯に食品を手渡すことができた。

緊張から共感へ

 会場への案内や検温・消毒、受け付け、食品を配る段取りに間違いはないか、スタッフは緊張して当日を迎えた。

 事前準備を手伝う人、準備から片付けまで担う人、1時間半かけて近隣にチラシを400枚の配布した人など、さまざまなボランティアの申し出があり、当日は12人のスタッフが担った。

 当日に配られた食品は、米、カレー、スープ、菓子、冷凍食品が4種類。14時から受け付け、すぐに3世帯が受け取りに。スタッフが冷凍食品の取り扱いを説明し、生活状況をうかがう。来場が集中した時の対応に戸惑うこともあったが、2時間で順調に配付を終えた。

 「こんな企画をやってくれて、本当にありがとう」「今は体調不良で通院中ですが、よくなったら何かお手伝いさせてください」など、利用者の声が寄せられた。

 “京橋フードパントリー”代表の福永篤志さんは「これまでに戸別訪問や『つくる会』の通信配布でつながりのあった方も来られ、詳しく話をうかがった。ひと組は生活保護を受けているひとり親世帯で、精神的にもしんどくなっていた時に出会った方。今回もとても感謝されていた。他にも、年金で家族を養っている方の話や、コロナ被害で仕事を失い1日に1〜2食で生活している話を聞き、本当に困難な状況に置かれていることを痛感」と、生活困窮の深刻さを強調した。「安倍・維新の新自由主義政策の下、国や大阪府・市がコロナから市民をきちんと守っていないことへ、怒りを新たにしました」

支援を広げるために

 スタッフの森厚子さんも「ボランティアの方が来てくれ、自分もコロナで影響を受けているからこそなのか、『できることをしたい』と。立ち上げはたいへんだったけど、同じ思いでつながれたことがうれしかった。みんなで楽しくやりたいと思います」と話す。

 パントリー終了後、まとめのミーティング中に「ぜひ次回に使ってください」と食品を持ってきた人も。

 東京都足立区で“千住フードパントリー”に取り組んでいる土屋のりこ区議も応援に駆けつけ助言した。

 「フードドライブ(余っている食べ物を、フードバンクなどに寄付する活動)で、近所のお店や個人に食品寄付の声かけをして品数を増やしていけば、利用者もより楽しく参加できるようになりますよ」

 毎月第2土曜定例の京橋フードパントリー。次回は10月10日(土)の14時から。まずは近隣地区へ3500枚のチラシの配布が重要だ。

 「今後は、高齢者や介護サービスを利用している人も活用できるようにして、50世帯を目標に取り組んでいきたい。そして、城東区以外にもこの運動を広げていくことをめざします」

 福永さんは決意も新たに抱負を語っている。





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