2020年10月02日 1643号

【原発避難者の窮状訴える緊急提言 9・18さようなら原発集会も】

 コロナ災害下の原発避難者の窮状を訴えて「ひだんれん」(原発事故被害者団体連絡会)など3団体は9月18日、国に対して緊急提言を行った。

 提言の元となった避難者95人のアンケート調査では、今年4月以降の月収20万円以下が58%、非正規雇用と無職が45%。住居は5割以上が民間賃貸住宅で、3割が家賃支払いの困難さを訴えている。

 対応した復興庁と国土交通省に、▽民間賃貸入居者への家賃補助▽入居要件の緩和による公営住宅確保▽医療・介護保険等の保険料・利用者負担減免措置の継続―を求めた。国交省は「(公営住宅)入居要件の緩和を求める通知を本年3月にも出しているが、決めるのは自治体」と逃げ。復興庁は「(減免措置について)自治体からも要望があり、来年度以降の継続を検討したい」と答えた。

 避難の協同センターの瀬戸大作事務局長は「避難者への生活実態調査すら行われていない。経済的な困窮から精神的な孤立へ深刻な状況」と指摘し、施策具体化に不可欠な実態調査の実施を迫った。

 同日夜、日比谷野外音楽堂の「さようなら原発集会」には1300人が集まり、サイレントデモも。

 「ひだんれん」からは、かながわ訴訟原告団長の村田弘さんがあいさつ。「復興大臣は『コロナ禍で苦しいのはみんな』と言うが、原発被害者はその上コロナ災害だ。安倍政権は住宅提供を打ち切り、避難指示を解除し、損害賠償も打ち切った。京都訴訟の原告が明らかにしたように、今も多くの避難者が精神的な不安を抱える。広島原爆被ばく者とも連帯して闘う」

 原発現地からの報告では、「94万人を大型バス3000台で移動なんて不可能な『避難計画』だ。6市町の首長が再稼働を認めないよう闘う」(原発いらない茨城アクション実行委員会・相楽衛事務局次長)など再稼働反対、エネルギー政策転換の声が相次いだ。

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