2020年10月09日 1644号

【「月桃の花」歌舞団 ガマ人間あらわる 京都野外公演に180人 「こんな時にやってくれうれしい」】

 9月19日、フクシマ・オキナワとつながるミュージカル『ガマ人間あらわる』公演が京都・円山公園音楽堂(通常定員2528席)で行われた。コロナ禍の下、会場を屋内から野外に変え、万全の対策をとる中、観客180人の大きな共感を呼んだ。担ったメンバーに報告を寄せてもらった。

思いを伝えられた

 今回、京都公演の実行委員長をさせていただきました。260人満席を達成するために様々なことに取り組みました。

 まず、身近な友人に声をかけました。初めは「コロナの中で行うため、来てもらえないかもしれない。断られるかもしれない」という不安がありました。

 しかし、8月1日のプレ公演で「コロナでこんな世の中だから、ミュージカルをやってくれてうれしい」という言葉を聞き、歌舞団のミュージカルを求めている人がいるということを実感させられました。

 高校や大学の友達には「今日本で問題になっていることを含んだミュージカルで、自分自身このミュージカルを観て日本の現実を知ったし、社会を変えなければ、という思いになった。高校のときは人前に立つことが苦手だったが、ミュージカルを通して自分に自信を持つことができ、たくさんの人の前で表現することができるようになった。成長した私の姿を見てほしい」と伝えました。

 また、近隣の高校をまわり、ストリートライブをして地道に宣伝しました。

 高校まわりは初めてで不安でしたが、他の歌舞団員のサポートで多くの高校をまわることができました。ストリートライブではエイサーを踊り、チラシを渡しました。立ち止まって見てくれていた人に積極的に話しに行き、ミュージカルの良さや公演を行いたい思いを伝えようと頑張って動き、「都合が合えばいく」と言ってくれた人がいました。思いが通じたと感じ、うれしかったです。

 本番には約180人の参加があり、「キャストの表現力に引き込まれた」「沖縄戦、非正規労働、コロナ、どれも大きな問題をうまくつなげられて、歌にもありましたが、確かにむずかしいけれども、すべて声を上げることの大切さを教えてもらいました」という感想をいただきました。

 今回、実行委員長としてミュージカルを行うまでの流れを経験させてもらい、ひとつの公演がとても大変だと感じました。でもそれ以上に、多くの人に思いを伝えられ、自分で決めた目標も達成できたので本当にいい経験になりました。

(京都公演実行委員長・岩崎奈那美)

SNSもフル活用して

 私は京都公演で、主人公「のぞみ」役をさせていただきました。

 このコロナの中、お客さんが来てくれるか不安でした。私はSNSで学校の友達にギリギリまで宣伝しました。インスタグラムを活用し、ストーリーにチラシを投稿したとき、とても反応がよく、すぐに友達からメールがきました。また、LINEも活用しました。公演が土曜日ということもあり、学校がある人などもいましたが、その時は「次また公演あるときに来てね」と言いました。

 本番では、私はオープニングにエイサーも踊りました。来てくれた友達が「エイサーとてもかっこよくて圧倒されたよ」と言われうれしかったです。ミュージカルは「今の日本の政治について学べて良かった。この内容をクラスのみんなにも、みてもらいたい。次の公演あったら教えて」とうれしい感想をいただきました。友達はエイサーのときから涙を流しており、とても感動したようです。

 このミュージカルをこれからたくさんの人に観てもらい、学んでほしい、楽しんでほしいと思いました。次回の公演に向けて精一杯がんばります!

 (大阪・谷上瑠洋)



MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS