2020年10月23日 1646号

【みるよむ(565) 2020年10月3・10日配信 イラク平和テレビ局in Japan イラク市民は清潔な水を要求する 新型コロナへの市民の自覚を高める】

 2020年8月、サナテレビはバグダッド市民にコロナ危機の下での生活の厳しさや健康問題についてインタビューした。今回は2回の映像を紹介したい。

 10月3日配信「イラク市民は清潔な水を要求する」では、「水道水は色が付き、においがして、明らかに汚染されている」実態を伝える。市民は「飲んだら吐き出してしまいます。1本250ディナール(約21円)のペットボトルを買うしかない」と言う。

 なぜか。市民は「政府当局が国家財産の強奪と汚職に夢中で、市民に最も重要で必要なものに関心がないからだ」と指摘する。「カディミ政権も社会サービスを悪化させ、義務を全く果たしていません。徹底的にその影響を受けるのがイラク市民なのです」という実態なのである。

 10月10日配信「新型コロナに対する市民の自覚を高めるには」では、コロナ感染拡大で、政府が自宅隔離や外出禁止を求めた状況について市民が訴える。食料品が値上がりし、失業が増加して「毎日食べるパンも家族に提供できない」と生活は一気に苦しくなった。

 ある労働者は「コロナ危機の最初は多数の市民が医薬品や消毒薬を買うために押し寄せたのに、最近はあきらめて来なくなった」と、感染防止のために克服すべき問題点も指摘する。

感染防止と市民蜂起

 サナテレビは同時に、昨年10月から続くイラク市民蜂起の現場活動家にも取材している。市民蜂起の医療班担当者は「消毒などのコロナ対策を全部のテントで徹底した。患者は一人も記録されていない」と語る。

 イラク市民蜂起は、コロナの感染を防ぎながら街頭で闘いを続けている。サナテレビは、こうした姿を示しながら、命と暮らしを守る闘いを進めようと市民に訴えている。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

 
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS