2020年10月23日 1646号

【連帯労組関生弾圧事件で初の判決/ストライキを犯罪にする不当判断/菅政権は警察国家づくり】

 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)に対する一連の刑事弾圧事件の中で、初の判決が10月8日、大阪地裁で出た。支援の労働組合、市民が全国から地裁前に集まり、公正判決を求めた。判決は、組合員2名に懲役2年6月、執行猶予5年という、検察の主張を丸呑みする不当判決だった。

 この事件は、「生コン輸送運賃引き上げの約束を守れ」と2017年に行った団体交渉やストライキを威力業務妨害罪としたもので、正当な労働組合活動は罰しないとする法規定(労働組合法第1条2項、刑法第35条)を全く無視する露骨な弾圧事件だった。

 判決について太田健義(たけよし)弁護士は「裁判所は、労使関係を認めず、労働争議ではないとした。産業別、横断的組合活動を認めないということだ」と指摘。関生支部が先進的に作り上げてきた産別労働運動への狙い撃ち弾圧の証明だ。

 全日建連帯労組の小谷野毅書記長は「直接の雇用関係がないと争えないのでは、派遣労働者は全く闘うことができなくなる」と影響の大きさを指摘。社民党大阪府連大椿ゆうこ副代表は「コロナの中で6万人以上の解雇、雇止めが出ている。労働3権を絶対に守って闘おう」と強調した。

 憲法違反の労組弾圧。支援は、沖縄や反原発、朝鮮学校無償化問題など多くの市民団体にも広がっている。「日本学術会議の任命拒否と同じ弾圧だ」「解釈改憲がまかり通っている」と怒りの声が上がる。

 被告とされた西山執行委員は「労働組合がストライキを計画しただけで犯罪にされる。警察は団結を恐れている。闘いを広げよう」と訴えた。本来、事件ではないものを事件にでっち上げ。「警察庁が各府県警と謀議した国策弾圧」との指摘もあった。警察官僚が取り巻く菅政権の本性が現れたともいえる。弁護団は即時控訴の手続きをとった。

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