2020年10月23日 1646号

【非正規格差是認の不当判決/最高裁/賞与・退職金ゼロ「不合理ではない」】

 非正規労働者に賞与や退職金が支払われないのは、労働契約法旧20条(現パート有期労働法8条)が禁じる不合理な格差だとして是正を求めている2つの訴訟で最高裁が10月13日、不当判決を出した。

 1つは大阪医科薬科大学の研究室秘書として勤めていたアルバイト職員の女性が、賞与の不支給等は不合理と訴えている事件。もう1つは東京メトロの子会社メトロコマースの契約社員として駅売店で働いた女性たちが、退職金の不支給等は不合理と主張している事件。いずれも控訴審判決では、不支給を違法・不合理として正規の「6割」(賞与=大阪高裁)「4分の1」(退職金=東京高裁)の支払いを命じていた。

 ところが、最高裁は両高裁判決を変更し、賞与も退職金も「職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図るなどの目的」があるので支給しないことが「不合理であるとまで評価することはできない」として、原告の請求を切って捨てた。

 判決直後、原告らは「最高裁は私たち非正規を見捨てた」「最低の判決。日本の社会は正規と非正規に分断されていく。恥を知れ」とコメントした。

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