2020年10月30日 1647号

【「議会を変える、市民と変える」 市民とつくった要望書 京都府向日市議 杉谷伸夫】

 今市町村では、各部署から来年度に実施をめざす事業の予算要求が集約され、予算編成作業が進められている。

 私は先日、数年ぶりに市長に対し予算要望書を提出した。かつては毎年行っていたが、一方的に要求するだけの儀式化していることに意義を感じず、やめたのだ。

 この春、新型コロナウイルスの影響で市民生活に深刻な影響が出る中で、市民アンケートで市民の声を集め、コロナ対策の要望書を作り、市民の皆さんとともに何度か市への申し入れを行なってきた。その内容が、いくつもの事業に反映された。その取り組みの経験から、様々な市民の声を具体的な予算要望にまとめ、行政に要望・提案していくことの大切さを改めて認識した。大切なのは、市民が直面し求めているものをしっかり反映した要望を、市民とともにつくることだと思った。

 そこで9月議会が終わった9月下旬から、予算要望をつくろう! と「杉谷さんとともにまちを創る会」で呼びかけた。要望書原案には、これまでに私が取り上げてきた声・提案をまとめたが、その後さらに関係する様々な市民・事業者に改めてヒヤリングをおこなった。最終の要望書案を検討する会の後も、いくつも意見が寄せられた。できるだけ要望項目を絞り込むつもりだったのが、結局69項目にもなってしまった。

 「公立保育所でも民間保育所と同様に、ふとんのレンタル・ご飯の提供・紙おむつ処分のサービスを行うこと」「教員の更衣室やPTAの部屋などにもエアコンを設置すること」などの具体的な要望項目もあれば、「景観シンポジウムを開催し向日市のめざす景観政策を市民参加で進めること」のような政策的要望項目もある。夏の2か月間、私のもとで活動した2人の学生インターンの声は、「若者政策担当を設け、若者固有の課題への対応を進めること」との提案にした。新型コロナ対策でのPCR検査体制の拡充は、市の考えとの隔たりが未だ大きいが、当面する最大の市民要求であり、大きく取り上げて求めている。それぞれの予算要望項目の1つ1つに、市民の願いが凝縮されたと思っている。

 今回は、要望事項に対する回答を市長に求めている。1つ1つの要望に対する市の見解・対応の現状を明らかにさせることで、継続して取り組んでいく足がかりにしてゆきたい。
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