2020年10月30日 1647号

【「被害者はすべての人びと」 市民・大学人が怒りの集会 大津市】

 10月12日、「日本学術会議任命拒否問題を考えるしが市民・大学人集会」が大津市内で開かれました。

 緊急の呼びかけにもかかわらず150人も参加したのは、菅首相の暴挙が政治による学問の自由への深刻な蹂躙(じゅうりん)で市民が怒っていることを物語っています。

 講演したのは任命拒否された6人の一人、立命館大学教授・松宮孝明さんです。松宮さんは日本学術会議の存在の意味や目的を詳しく説明し、「学術会議は学問を享受するすべての人のためのものであり、今回の本当の被害者は私たちすべての人びとだ」と強調。

 また、学術会議が軍事研究に反対する声明を3年前にあらためて出したことにも触れ、「科学者は研究成果を公表するのが当然だが、軍事研究は秘密とされるので論文発表などできない。研究者に研究の力があっても出せない。これでは学問は育たない。軍事研究に反対なのは学問の自由を守るため」と話しました。

 連帯のあいさつには大学関係者をはじめ多くの方が駆けつけました。弁護士の井戸謙一さんは「必ず105名を任命しなければならないが今回は99名しかしていない点で、学問の自由の危機以前に重大な法律違反」と指摘しました。

 滋賀の市民と大学人が連携し、理由を説明できない菅に真っ向から立ち向かう決意が示された集会でした。

(ZENKO滋賀・峯本敦子)



学術会議の任命拒否撤回

 10月19日、氷雨降る中「いのちをまもれ!学術会議の任命拒否撤回!敵基地攻撃能力保有反対!改憲反対!国会議員会館前行動」に市民900人が結集。都内の高校生2人も登壇し、「学問に政治権力が介入してはならない」と菅政権に抗議の声を上げた。

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