2020年11月13日 1649号

【1649号主張 維新の「大阪都構想」否決 市民と民主主義の勝利】

反対運動の力で逆転

 11月1日大阪市住民投票で、維新の会が主張する「大阪都構想」=大阪市廃止が否決された。これは大阪市民と民主主義の勝利であり、安倍を継承する菅政権の改憲・新自由主義路線の一角を崩すものだ。

 維新は住民投票にあたって周到な準備をしてきた。2019年ダブル選挙で知事・市長を入れ替え、市議選・府議選で圧勝し、公明党を衆院選で対立候補を立てると脅して都構想賛成に転換させた。自民党府議団からは賛成が出ていた。事前の世論調査でも賛成が反対を10ポイント以上上回っていた。その状況を市民の反対運動の力で打ち破った。

 住民投票後、維新・吉村洋文知事は「僕らの熱量より大阪市を残したい市民の思いが強かった。大阪都構想は間違っていたんだろう」と述べた。市民の強い反対運動が都構想を否決したのである。

新自由主義路線に痛打

 市民が都構想に反対したのは、大阪市が解体されて4特別区となり財源が府に奪われることによる住民サービス低下、公共料金引き上げへの批判、維新の言うカジノ、大規模開発の成長戦略への疑問であった。

 われわれMDSは、平和と民主主義をともにつくる会・大阪、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)とともに全力で闘った。街頭行動、電話、宣伝カーで働きかけ、徹底して反対票読みを行った。

 この住民投票勝利は大きな意義がある。

 維新は民営化、社会保障削減、公務員削減など自公政権の別動隊として新自由主義路線を進めてきた。菅は官房長官当時から維新と密接な関係を持ち、否決後も「大都市制度に一石を投じた」と都構想を評価したように、事実上賛成していた。この菅が安倍政権継承として推進する改憲・新自由主義路線に、住民投票結果は痛打となったのである。

維新解散、市長は辞任だ

 関西経済連合会の松本正義会長は、都構想否決にもかかわらず「二重行政の解消、大阪の成長戦略については今後もしっかりと取り組んでいただくよう期待する」と述べた。グローバル資本はなお維新の成長戦略を実行するよう要求する。

 これに対して、否決の成果に立ち、大阪市、大阪府に新型コロナ対策、市民生活改善の要求を突きつけていかなければならない。また、結党以来の目標である都構想が否決された以上、維新は解散し、松井大阪市長、吉村知事は直ちに辞任しなければならない。

 横浜で進むカジノ反対のための市長リコール、住民投票運動を成功させよう。大阪都構想否決の上に横浜カジノを葬れば、安倍政権以来の新自由主義成長戦略をストップできる。新自由主義路線を葬り去り、民主主義的社会主義の展望を切り開こう。

  (11月3日) 
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