2020年11月13日 1649号

【みるよむ(567)2020年10月24・31日配信 イラク平和テレビ局in Japan イラク女性の闘い 家庭内暴力禁止法を要求する デモ参加者殺害に抗議する】

 今号では、イラク女性の闘いを伝える2回の配信番組について述べたい。

禁止法は正義を与える

 10月24日の配信は「イラクの女性は家庭内暴力禁止法を要求する」。コメンテーターのバスマ・ファラーさんは、暴力に屈せず民衆解放運動に参加するイラクの女性が「恐れずに前進するか、さもなければ家庭に戻るかだ」と訴えていることを紹介している。

 家庭での男性の暴力支配を許さないこの法案成立のために多くの女性が立ち上がっている。市民活動家は「家庭内暴力禁止法は、イラクの家族とともに女性、男性、子どもに正義を与える」と強調する。

 若者が「女性であることは恥ではない。女性の声は革命だ」というスローガンで闘っていることも報告される。勇気をもって暴力に抗し、人権を勝ち取る市民の闘いの高揚が伝わる。

映像登場はすべて女性

 10月31日配信「イラクの女性はデモ参加者殺害に抗議する」では、市民デモに対して政府とイスラム主義勢力が参加者を殺害、誘拐している実態が描かれる。

 インタビューに答える女性は、昨年10月から始まった市民蜂起で女性が大きな役割を果たしていることを説明する。平和的なデモ参加者の40%が女性だという。「女性は、医師となり、教員となり、料理人となり、市民の長期にわたる抗議行動を担っている」

 配信映像に登場するのは、コメンテーターも含め全員女性だ。厳しい弾圧の下でも、腐敗政権や宗派の私兵による暴力に今や女性は黙っていない。ともに闘いの先頭に立っているのである。

 現在のイラク市民の民主的な要求の闘いには、女性がなくてはならない。イラク女性はデモ参加者殺害を強く批判し、責任追及の声を上げている。日本からも連帯していきたい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

 
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