2020年11月13日 1649号

【11.1住民投票 大阪市廃止に再び反対 みんなの勝利 市民の良識の勝利 維新政治変えるスタート】

 11月1日午後10時44分。「ウォー、やったー」「維新に勝った」。喜びが爆発する。大阪市廃止の是非を問う住民投票速報でNHKテレビが「反対多数確実」のテロップを出した。

 平和と民主主義をともにつくる会・大阪とZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、投票終了とともに城東区内でまとめのミーティング。9時過ぎから刻々と伝えられる開票速報では、わずかだが賛成が上回る数字が続き、不安がよぎる中の第一報。画面を囲んで歓声を上げ、手を取り合う。涙ぐむスタッフが何人も。つくる会の森厚子さんは「みんな本当にがんばってよかった。うれしいの一言。維新は市民の力を思い知ったか。市民の力は向上し、大阪は変えられる」と感激を語った。

一人ひとりとの対話で

 城東区内を中心に活動するつくる会などは、市民一人ひとりに働きかけて対話を重ね投票前日までに約2万の「反対」票を確認した。

 街頭では、他市に引っ越す予定の若い男性に「大阪だけの問題ではない。住民無視、大規模開発優先の維新政治がはばを利かす」と説明し、期日前投票に結び付けたこともあった。

 投票日当日は、スタッフが区内20か所全投票所で支援の市民とともに午後8時投票終了まで「反対」票の拡大に全力をあげた。

 市民はどう判断したか。投票所出口で聞いた。「まだよくわからない」と語る30代男性は「取り返しがつかないと困るから」と反対。ある女性は住民サービスの低下を心配する。「障害者サービスの低下、無料パスはどうなるのか」。自営業30代の男性は元公務員。「説明会に行ったがメリットしか言わない」と維新への不信を口にし、「二重行政はトップが悪いだけ。組織としては全くそんなことはなかった」と公務員だった時の経験を話した。

市政変革は可能だ

 城東区では、前回2015年より差は縮まったものの、なお僅差で賛成多数。投票所で50代の女性は「反対する側に対案がなかった。住民サービスは低下するかもしれない。でも今のままでも低下する」。変化を求める声は根強い。維新の新自由主義徹底による「変化」は市民が望むものではないが、それを暴き、さらに地域から要求を政策にし市政変革に結集する運動がいっそう求められている。

 結果を受け、つくる会・山川よしやす代表は「これはみんなの勝利、大阪市民の良識の勝利。松井の『政界引退表明』は追い込んだものだ。維新支配が続いてきたが、あきらめることなく闘い続ければ崩せることを示した大きな一歩。私たち市民の力と選択に確信を持ち、命と人権が大切にされる社会をつくる闘いの始まりだ」と意義を強調した。





大阪総がかり憲法集会も 都構想否決を喜ぶ

 住民投票2日後の11月3日、大阪市内で開かれた「輝け憲法!平和といのちと人権を おおさか総がかり集会」はさながら都構想否決勝利集会=Bスピーチも「市民の力の勝利」「改憲勢力への痛打」を強調し、「新自由主義の維新も菅政権もノーだ。学術会議の任命拒否撤回。空母やミサイルよりコロナ対策に予算を回せ」と声を上げた。ネット視聴とセットの屋内集会後、参加した約300人が街頭スタンディングで市民にアピールした。

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