2020年11月20日 1650号

【議会を変える 子ども置き去りの小中一貫校 大阪府交野(かたの)市議 松村ひろ子】

 交野(かたの)市では、小規模校を統廃合するための「施設一体型」小中一貫校の建設が急がれています。交野市は、交野小・長宝寺(ちょうほうじ)小(小規模校)・交野一中を交野小敷地にまとめる「施設一体型校」建設に向けて市民説明会を行ったものの、関係者の意見を充分聞いたからと一般市民向けパブリックコメントも行わないまま、来年度には「施設一体型校」実施設計へと歩を進めようとしています。

 保護者に対しても、小学校2校での保護者説明会のお知らせは3日前で、結果参加者は2校とも数名以下。保護者有志が自主的に「有志の会」を立ち上げ、教育委員会と交渉をもち、要望書で保護者全員を対象とした説明会を改めて求めたのに対し、市教委は開催をかたくなに拒否しています。

 小中一貫校建設のために、最初、交野小の児童が長宝寺小へ2年間通学することになります。その後は、長宝寺小の児童が交野小校地の新校に通うことになります。当然、通学路が長くなり交通混雑地域も通るため、保護者から心配の声が上がっています。しかし市教委は「それも皆さんとの協力でやっていきたい」と答弁するのみで、無責任なまま危険な通学が強いられようとしています。

 さらに狭い敷地に千名を超す生徒を詰め込むためにプールを造ることができず、市教委は、近くの市民プールを使って授業する、そうすれば教員負担も軽減するとまで言い出す始末です。

 長宝寺小での仮設校舎の増設工事が来年度進められ、2025年に「施設一体型校」小中一貫校が開校するスケジュールとなっています。総事業費は約62億円。そのほとんどが市債(=借金)です。交野市は今でも250億円以上の市債をかかえています。将来世代にさらなる負担を強いるのでしょうか。

 置き去りにされているのが児童・園児の保護者の不安の声です。今後、勉強会の開催を含め、市民・保護者と共に声を上げていきたいと思います。

交野小学校の正門の、樹齢を重ねる木々も切り倒され、超過密マンモスの小中一貫校が建設されようとしている
 
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