2020年11月20日 1650号

【原発賠償千葉訴訟控訴審 来年2月勝利判決めざし集会】

 原発損害賠償千葉訴訟一陣の東京高裁判決は来年2月19日。11月3日、千葉市内で「結審報告&勝利判決をめざす集会」が開かれた。

 集会のメインは、福島事故後初めて原発の運転を認めない大飯(おおい)原発差し止め判決を出した元福井地裁裁判長・樋口英明さんの講演。「原発を止めたのは、極めて危険だからというごく当たり前の理由。福島原発は2号機は欠陥原子炉だったためどこからか蒸気が漏れ出て助かった。4号機は壁がずれて原子炉の水が漏れ使用済み燃料プールを満たしたため爆発を免れる奇跡が起きた。奇跡が重なって15万人の避難だったが、奇跡がなければ250キロ圏4000万人の避難が必要だった」と危機一髪を指摘。

 「地震の強さ(ガル)では三井ホーム耐震設計が5115ガルなのに大飯原発は700ガル。設計基準を超える地震はしばしば起きている。強振動予測で原発敷地に震度6、7の規模は来ないというが、観察・実験・資料がないのにどうして信用できるものか」と批判した。「700ガルで原発は危なくなるが、弁護士はなぜ設計基準の計算の仕方など技術論争に走って、この点を指摘しないのか」と苦言を呈し、「原発事故は最大の公害、環境汚染。CO2削減問題を原発稼働継続の理由とするのは甚だしい筋違いだ」と訴えた。
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