2020年11月27日 1651号

【1651号主張 ZENKOスピーキングツアーへ 命を守れ 東アジア平和を】

コロナよりカネと軍拡

 新型コロナウイルスの感染がかつてなく急拡大している。北海道、東京、大阪などでは危機的事態が続き、11月18日の新規陽性者は2195人と過去最多を更新。しかし、菅政権のコロナ対策はでたらめだ。

 編成中の第3次補正予算案は、なおGoToキャンペーン延長などカネもうけ優先の経済対策がメインだ。政府分科会の尾身茂会長さえ感染拡大が「ステージ3」になれば「GoToは当然停止だ」と指摘する。一連のキャンペーンで潤ったのは大手の旅行業者や楽天、ぐるなびなどの企業で、窮迫する小規模・零細業者の支援にはなっていない。

 コロナ解雇は7万人を超え、自殺者は7月以降4か月連続で増加。だが、12月末に期限を迎える雇用調整助成金の特例措置は段階的な縮小が検討されている。

 一方、来年度予算要求で軍事費は過去最大の5・5兆円と世界でも異常突出だ。軍事費を削り、命と生活を守るための補償とPCR検査・医療体制抜本的拡充へ、ただちに財政出動を求めなければならない。

 日本学術会議の任命拒否問題に対し、約740の学会や団体が反対声明を出した。ところが、政府は国会でもまともな答弁を行わず、学術会議のあり方に論点をすり替える。

根底に戦争推進路線

 根底には安倍―菅の戦争推進路線がある。学術会議は軍事研究への協力を拒否する声明を過去3回出してきた。2015年度から軍事分野に役立つ研究開発・基礎研究を公募・委託する「安全保障技術の研究推進制度」が開始されたが、その直後にも声明が出され、応募件数は少ないままだ。菅政権は、戦争法、共謀罪法、辺野古新基地建設に反対した研究者を見せしめに排除し、学問・研究分野も丸ごと支配して軍事=「国策」に協力するよう変えようとしているのだ。

 今回の任命拒否問題は学者だけの問題ではない。市民すべての問題だ。平和な社会をつくるためにはあらゆる戦争の種を摘まなくてはならない。

沖縄・韓国連帯で

 11月29日〜12月6日、全国6都市で「東アジアに平和を!沖縄・韓国と連帯し武力なき世界をつくる2020スピーキングツアー」がZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の呼びかけで開催される。

 菅政権の下で辺野古新基地工事が加速する沖縄から、沖縄ドローンプロジェクトの奥間政則さんを招き、現状と闘いの報告を受ける。韓国でもサード(高高度迎撃ミサイル)撤去の闘いが続く。これらの闘いと連帯することで東アジアの平和はつくられる。

 スピーキングツアーを成功させよう。今こそ平和への世論を広げ、市民の命・生活を優先する社会へと転換させる時だ。

  (11月18日) 
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