2020年12月04日 1652号

【1652号主張 カジノでなくコロナ対策を 市民の力で横浜市長リコールだ】

感染急拡大の危機

 全国で新型コロナウイルス感染が急拡大している。11月21日には、過去最多2596人の陽性者が確認され、東京では3日連続で500人を超え、大阪でも22日490人と過去最多が更新されている。医療・介護現場、職場ではクラスターが発生し、重症者・感染経路不明者も急増。病院は十分な支援がないまま受け入れ体制を整えなければならず、医療従事者の悲痛な声は政府に届かない。

 事態深刻化の責任が、感染拡大を招くGoToキャンペーンを進め続け、「静かなマスク会食を」と説教するだけの菅政権にあることは明らかだ。世論の批判に、菅首相もついに「GoTo見直し」を口にせざるを得なくなった。だが、命を守る緊急策はとられていない。ただちにGoToは中止し、検査から追跡、医療的隔離態勢の抜本的拡充、医療支援、市民と零細業者への生活・雇用保障に財政出動することが必要だ。

命よりカネに批判噴出

 カジノに揺れる横浜市でも、感染が広がり4日連続で100人を超えた(11/21)。何よりコロナ対策を最優先すべき今も、林市長は命よりカネ≠ニカジノ誘致に固執する。11月17日には事業者選定などを協議する「横浜イノベーションIR協議会」を初開催した。重要な議題にもかかわらず途中から非公開とする隠蔽(いんぺい)体質が露呈。傍聴する市民から「ばかにするな」と抗議が噴出した。

 カジノに反対する市民は11月13日、「林市長リコール署名成功に向けた共同アピール」を発した。「市民一人ひとりの署名の積み上げが市長を追い詰め動揺させている。住民投票条例を否決させず市長選でカジノを最大争点にするためにも、とことん集めよう」と呼びかけ、多くの市民の共感が寄せられている。対話を重ねれば重ねるほどカジノ反対の声は広がっていく。

菅追い詰めるリコール

 横浜市はカジノを推進する菅のお膝元。市民の反対拡大の中で、「ハマのドン」と呼ばれ菅らを支えてきた横浜港ハーバーリゾート協会藤木会長も「山下埠頭(ふとう)でばくちをやるな」と批判。推進する首長・議員はすべて落選させると明言し、推進派への影響は必至だ。

 来年1月に住民投票条例案審議、8月には横浜市長選挙もあり、カジノ誘致はさらに焦点となる。リコール署名を通じて多くの市民が繋がり、カジノ反対のあらゆる市民・団体の共同が広がりつつある。住民投票に勝利した大阪市に続き、全力で署名を集め市民の手で市長リコールを実現しよう。人の不幸でカネもうけ≠フカジノは菅が進める新自由主義政策の象徴でもある。林市長もろともカジノを葬り去り、菅政権を追い詰め、カネより命を大切にする政治への根本的転換へ前進しよう。

  (11月22日) 
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS