2020年12月04日 1652号

【市民が元徴用工問題の打開 日韓首脳会談を呼びかけ】

 安倍政権退陣をきっかけに学者・文化人などが発した声明「いまこそ日韓関係改善を」(9月18日)は1か月半で1690筆の賛同を得た。呼びかけ人の和田春樹東大名誉教授、田中宏一橋大名誉教授らは11月19日、議員会館で記者会見し、日韓首脳会談開催、元徴用工問題の打開をと訴えた。

 和田教授は「菅首相は新しい政策を強調するが日韓関係は打ち出していない。韓国は新政権との話し合いを表明しており、早期実現を願う」と述べ、田中教授は「日本政府は1965年会談での解決済みに固執するが、98年小渕・金大中(キムデジュン)会談で植民地支配への痛切な反省とお詫びを述べ新たな関係作りを宣言しており、今の政府の認識は30年ずれている」と、ゆがめられた日韓関係の経過を批判した。

 内田雅敏弁護士は「中国人強制連行・労働問題では訴えた被害者と民間企業の間で解決し政府は介入しなかった。韓国の強制連行・労働問題では民―民を超えて政府が政治的に振り回しこじらせている」と政府責任を追及。「さすがに(中国への)侵略は否定できないが、(韓国への)植民地支配は悪くないとの誤まった歴史認識がある」と植民地支配の謝罪がカギになることを指摘した。朝鮮人強制労働被害者補償立法をめざす日韓共同行動の矢野秀喜さんは「企業が自主的解決に動かざるを得ないよう、粘り強く対企業行動を強化したい」と決意を述べた。
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