2020年12月11日 1653号

【沖縄ドローンプロジェクト 奥間政則さん 軟弱地盤埋め立ては困難 環境破壊隠すドローン規制】

 辺野古の問題は琉球弧全体の問題になっている。沖縄ドローンプロジェクトは11月20日から石垣島や宮古島でドローン撮影調査したが、石垣島平得大俣(ひらえおおまた)地区・宮古島保良(ぼら)地区では土砂採掘が進んでいる。土砂は辺野古の埋め立てに使われる可能性がある。沖縄戦の激戦地だった沖縄島南部でも土砂採掘が行われている。まだ遺骨収集もされていないのに問題だ。

 辺野古の埋め立ては現在、面積で(辺野古浜側(2)工区では)約50%、今後2、3年はかかる。そこだけ見ると進んでいるように思われるが大浦湾の軟弱地盤は深く、困難なので進捗状況はまだまだ。昨年12月、工事の大幅遅れを取り戻すためにと、技術検討会は護岸を閉め切らないまま土砂を海に投入する「先行埋立」という工法を取り入れた。これは汚濁防止膜の問題にも直結する明らかな環境破壊の設計変更だ。

 地質学専門家である新潟大学の立石雅昭先生が呼びかけた「沖縄辺野古調査団」は、設計変更申請書を検証し7月、辺野古の埋立護岸は震度1程度でも崩壊すると発表した。8月に防衛省が辺野古キャンプ・シュワブをドローン規制法の対象施設に加えたのは、濁り水が発生する工事の実態を撮影させない狙いがあり、設計変更で環境破壊がもたらされることがネックになっている表れだ。

 9月にはドローン規制に関する防衛省交渉をもった。ドローン規制法は犯せば懲役1年以下、罰金50万円以下の刑事罰。交渉の場には警察庁の担当も同席していた。警告を受ければ直ちに出て行かなければいけないイエローゾーンを巡って、海上しかも上空での違反の判断が現実的にできるのか、あいまいなままだった。

 私たちは工事の不正を監視することが目的。レッドゾーン(対象施設)の内側を飛ばす申請を行っている。

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