2020年12月25日 1655号

【1655号主張 菅では命を守れない カジノ・軍事でなくコロナ対策】

コロナ人災$[刻化

 菅政権の無策・逆行策により、新型コロナウイルス感染拡大が止まらない。

 新規陽性者数は過去最多水準を更新し、入院患者数、重症者数も増加。医療・公衆衛生体制が逼迫(ひっぱく)する中、日本病院会は12月11日、「医療従事者の心身の疲弊は限界」「感染拡大が続けば医療崩壊は必至」としてGoTo事業の即刻中止を求める声明を出した。同事業には自治体から懸念が噴出し、政府分科会ですら一時停止を提言した。

 世論調査(12/13毎日)では、政府のコロナ対策を「評価せず」62%、「GoTo中止を」67%と総スカン。内閣支持率も不支持49%と支持40%を初めて上回り、菅は14日、GoToトラベルの年末年始全国一時停止表明を余儀なくされた。

 だが、これは菅が市民のための感染防止推進に転換したことを意味しない。8日に発表した追加経済対策は「事業規模73・6兆円」と称するが、うち51・7兆円はGoTo事業の延長、デジタル化・マイナンバー推進を含む大企業のための施策で、コロナ対策はわずか6兆円だ。コロナ危機に便乗して大資本に利益を与え、市民には犠牲を強いるばかりという菅政権の政治姿勢は際立っている。

カジノよりコロナ対策を

 住民の命を守らない政治に対し、地域で抗議の声が上がっている。大阪市民は11月の住民投票で「都構想」を阻んだ。横浜市では、カジノ誘致の賛否を問う住民投票実施を求める署名が法定数の3倍を超える20万筆集まり、公約違反のカジノ誘致に走る林横浜市長リコール署名も9万筆を超えた。「カジノよりコロナ対策」が市民の声だ。おそらく百万人を超えただろう市民とカジノ反対の広範な対話が行われた意義は大きい。

 市は12月11日にIR実施方針案を提示するなどカジノ推進の姿勢を崩さない。だが、署名運動により保守層からも反対が生まれ、推進派を動揺させている。リコール署名のさなか、菅首相を市議時代から支えてきた藤木横浜港運協会前会長が「(カジノ推進議員を)選挙で落とす」と明言した。

 1月市議会でカジノの是非を問う住民投票条例を可決させ、8月の市長選でカジノを争点化し市民と野党の共闘で勝利することが、カジノを断念させる道だ。

コロナ対策緊急要請へ

 いま緊急に必要なのは検査・医療・給付に財政を投入し、命と健康、暮らしを守る施策を政府・自治体に実行させることだ。7兆円の予備費を直ちに充当し、GoTo事業全面中止、不要なカジノ、軍事費拡大を中止し、財源をコロナ対策に回さなければならない。

 年の瀬に事態は切迫している。年末年始、PCR検査拡大の署名や相談活動を広げ、政府・自治体へのコロナ対策緊急要請行動に取り組もう。

  (12月14日) 
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