2020年12月25日 1655号

【命と生活を守れ コロナ対策で地域から自治体要請 介護保険負担軽減、PCR検査拡充を/ともにつくる会・東京が足立区交渉/「希望あれば幅広く行政検査」の回答引き出す】

 「介護保険料は高すぎる」「わずかな年金からも有無を言わさず天引き」「区の単独事業として月1000〜2000円の『保険料負担軽減給付金』の制度化を」「介護施設の感染拡大を抑えるため定期的なPCR検査を」

 こうした声を届けるため「平和と民主主義をともにつくる会・東京」は12月8日、足立区と交渉を行った。高齢福祉課長、介護保険課長らが対応した。

 足立区は来年度から始まる次期介護保険事業計画で、介護保険料の基準月額が7070〜7270円になると見込む。だが、3年前の今期計画策定時、「7千円を超えると制度維持が難しい」との指摘が自民党区議からなされていた。この点をただすと、区側は「制度発足時点から考えると介護サービスや要介護認定者数の伸びが想定を超えるものだった、ということ。制度運用のためには保険料引き上げは避けられない」と言い逃れ。「介護保険料滞納/資産差し押さえ年2万人」との朝日新聞報道(11/30)をめぐっても「日々の暮らしのきびしい方への差し押さえはしていない」と弁明した。

 交渉では、特別養護老人ホーム整備に力点を置く計画に対しても疑問を表明。「小規模多機能型居宅介護を運営する立場からは、在宅の面倒をもっと充実させてほしい。特養に比べ、尊厳ある生活を保障できる。給付費を抑えられ、保険料を引き上げなくて済む」。区側は「特養入所待機者2500人。他のニーズがないと言うわけではないが、特養整備に力を入れる」と自己正当化した。

 「コロナ感染発生時の介護崩壊を防ぐため業態別の対応策を」「クラスター発生を抑えるため職員の定期的なPCR検査実施を」の要求には、「検査後に感染しない、というものではない」「どういう経路で感染したかの状況把握が第一。速やかに検査したから効果があるわけではない」「来年4月までに1回社会的検査が無料でできる。その利用を」など消極的な回答に終始したが、翌日介護保険課長から「保健所が『濃厚接触者がおらずPCR検査不要』と判断しても、施設側が『不安があるので、行政検査を』と希望すれば、幅広く実施する」と追加回答が寄せられた。
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