2021年01月01日・08日 1656号

【2021年 菅政権追いつめるとき  民主主義的社会主義へ】

格差広げたコロナ危機

 2020年は、コロナ危機が「命よりカネ儲け」というグローバル資本主義の醜悪なシステムをあぶり出し、それに対する民衆の怒りと闘いの1年であった。

 新型コロナウイルス感染症は全世界で急拡大。陽性者は7600万人を超え、死者は170万人に迫る。

 この被害は、貧弱な公的医療、社会保障制度の不備、大企業の利潤を優先し市民の命と暮らしを顧みない政府の政策、そして不安定雇用と社会的不平等の拡大というグローバル資本主義が生み出した人災だ。その結果、格差は極限に達した。仕事を失い生活苦にあえぐ市民をしり目に、世界の資産10億ドル以上の超富裕層はこの1年で資産を200兆円も増やし、日本でも大富豪らが8兆円増やした。日本の大企業は、内部留保を前年より約12兆円増加させ、ため込んでいる。

 コロナ対策に手を打たず格差拡大と排外主義、軍拡・戦争路線を進める各国政府に抗し、民衆は声を上げ闘った。1%のグローバル資本の代弁者であった日本の安倍政権は退陣を余儀なくされ、米トランプ政権は大統領選で敗北した。行きつくところまできたグローバル資本主義に未来はない。

根本的変革へ

 菅政権は、コロナ危機に便乗してグローバル資本が儲け続けるシステムをなお維持拡大することを狙う。デジタル化、カジノ(IR)など菅の「肝入り」政策はどれをとっても市民には百害あって一利なし。大企業の利潤確保のための政策だ。73・6兆円とうたう追加経済対策でもコロナ対策はたった6兆円だ。

 今必要なのは、コロナ危機から命と暮らしを守り、医療危機を克服するためにただちに財政出動することだ。その財源は課税強化によって大企業・富裕層に負担させなければならない。

 MDSは、グローバル資本主義のシステムに代わる民主主義的社会主義への道筋として「コロナ危機を克服し社会を変える18の政策提案」を掲げている。ともに根本的変革へ前進しよう。

闘えば要求実現は可能

 菅政権は、発足3か月で早くも追い込まれつつある。菅が固執したGoToトラベルは全国一時停止を余儀なくされ、マスクなしステーキ宴会は市民の憤りを呼び起こした。朝日新聞世論調査(12/19〜12/20)では、支持率39%と11月から17ポイントも急落。コロナ無策への怒りはさらに広がる。

 現場の深刻な実態を背景に、市民の闘いは多くの自治体で高齢者・医療施設等での定期検査、一斉検査を実施させている。闘いを強めれば、検査・医療・給付に財政を投入させ命と健康、暮らしを守る施策を実行させることは可能だ。

 地域からPCR検査拡大署名や政府・自治体へのコロナ対策緊急要請行動に取り組もう。

  (12月21日) 
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