2021年01月01日・08日 1656号

【コロナ禍の中でも安心して働ける職場を作る 高齢者・障がい者施設に大切なのは予防措置だ】

 尼崎武庫川園は、兵庫県西宮市にある障がい者・高齢者の複合施設で入所、通所、グループホームがあります。新型コロナの感染拡大で、近隣の施設にクラスターが出、職員はちょっとした体調の変化にも「もしかして」「自分は大丈夫だろうか」と不安に。“感染を施設に持ち込んではいけない”と常に意識しストレスにさらされています。

 職場では「家族がPCR検査を待っている」人や、利用者の受診に付き添ったあと担当医の感染がわかって「感染の疑い」となり数日の自宅待機をした職員も。いろいろな「感染の疑い」の例が考えられます。

 労使間の話し合いの中で「本人・家族が感染した場合、本人が濃厚接触者と断定された場合」のみ特別有給休暇が付与されることになりましたが、それ以外の「感染の疑い」については休業手当(賃金の6割)しか保障がありません。

 そこで組合は11月、「感染疑いが発生した場合の特別有給休暇の保障とPCRの実施を求める緊急署名」を全職場で集め、130筆を法人に提出して団体交渉を開催しました。法人側は「職員が感染したら特別休暇を保障するが、家族がPCR検査を受けただけでは保障できない。(休業指示は出しても)その休みの補償は休業手当となる」との立場を変えませんでした。

 感染リスクを背負って働く私たちが、経済的な不安なく、体調など申告しやすい状況を作ることこそ、この署名の意味です。130筆の思いは譲ることができません。緊急署名の実現に組合は闘っていきます。

(兵庫・尼崎武庫川園労働組合・山川広美)
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