2021年01月15日 1657号

【1657号主張 緊急事態宣言で命は守れない 今 医療・補償に財政出動を】

許すな罰則導入

 新型コロナウイルスの感染急拡大はとどまるところを知らず、1月6日東京で1500人を超え、全国5000人超と最多感染確認を記録した。首都圏1都3県の知事は政府に緊急事態宣言発出を要請。マスコミや野党第1党の立憲民主党も宣言を出せとあおった。

 菅政権は1月7日にも、感染拡大防止に必須のPCR検査拡大、休業補償に触れることもなく宣言を発出し、さらに休業要請に罰則規定を付加するコロナ特別措置法改悪を狙う。「給付金とセット」で罰則導入し私権制限する危険なものだ。

 検査・医療拡充も補償もせず、緊急事態宣言や罰則導入で感染は抑え込めない。冬の感染急拡大が想定されながら、政府・自治体が有効な対策を取らずにきた失政こそただすべきだ。宣言や罰則は医療のひっ迫(病床不足)解消とは無縁だ。人権侵害は許されない。

検査、医療に財政を

 日本の感染者は、欧米と比べると1桁も2桁も少ないにもかかわらず、なぜ医療崩壊が叫ばれるのか。政府がコロナ病床確保のための大胆な財政出動をせず、それどころか医療費削減を進めているからだ。

 新型コロナ感染者の受け入れは、全国の病院の約2割程度だ。「潜在看護師」は全国で70万人と言われる。必要な態勢がとれないのは、劣悪な労働環境を放置し、コロナ受け入れ医療機関に財政支援しないからだ。PCR検査を受ける途中での死亡、自宅待機中の死亡など惨事があとをたたない。菅政権、小池都政、維新大阪府政は、この感染状況でも病院削減を進めるでたらめ策を変えていない。

 感染急拡大を抑えるには、十分な補償を伴う要請で人の接触を減らすとともに、PCR検査を徹底して陽性者を早期発見・追跡し適切な医療保護の下に置くことだ。そのための公費投入を直ちに行うことだ。緊急事態宣言や罰則でなく、休業、仕事喪失に伴う補償・直接給付、何より医療と公衆衛生の抜本的拡充が必要だ。

1・18国会を包囲

 年末年始、コロナから命、くらしを守る相談活動、食料、住まいの提供が市民の手で取り組まれた。政府と自治体の無策に怒り、やむにやまれぬ思いの市民の連帯活動だ。千葉県市川市では、1月から65歳以上の希望する市民に無料でPCR検査を実施する。症状がなくても誰でも無償で検査する実例が一歩すすむ。

 「PCR検査を無償で、誰でも、いつでも、何度でも! 医療の抜本的拡充と休業補償・解雇禁止を求める緊急署名」と自治体要請を強めよう。1月18日開会の国会を包囲し、罰則導入の特措法改定阻止、医療・補償拡充を迫ろう。持続化給付金、雇用調整助成金などの打ち切りを許さず、菅政権を倒そう。

  (1月6日) 
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