2021年01月15日 1657号

【年末コロナ禍 足立たすけあい村=@「これで年が越せる」と250人 政府・都の無策許せぬと協力】

 12月30日、東京・足立区千住旭町の公園で「コロナ禍 足立たすけあい村」が取り組まれ、約250人が来場した。呼びかけは「市民と政治をつなごう!市民連合あだち」。

 「何でも相談」には、2月に飲食店を解雇されて失業手当も切れ、妻も病に倒れ行き詰まったと訪れた60代の男性。首都圏なかまユニオンメンバーとケースワーカーがじっくり話を聞き、緊急の生活保護申請や職探しなどのアドバイスを行った。

 多くの市民の協力で集まった食品、衣類の提供コーナーには途切れることなく人が訪れる。「これで年が越せる。ありがとう」「200円しか所持金がなかった。おにぎりは助かる」との声も。葛飾区金町(かなまち)からという若い男性2人は、9月に起業したが行き詰まり、どうしようかと悩んだときネットで知って、来た。

 医療、健康相談は看護師が対応。血圧測定し、「休みの時に熱が出たらどうすれば」「検査は受けられるのか」などの相談を受けた。

 来場者は高齢者から若者までさまざまだが、圧倒的に女性が多い。ひとり親世帯、障がい者世帯も目立つ。

 ボランティアスタッフは約90人に上った。宣伝を開始した12月中旬以降、連日、食品・衣類提供の電話や「手伝いたい」「寄付したい」との申し出が続いた。「なんでこんなひどい世の中になったのか」「政府も都も無策。許せない」という怒りとともに協力が寄せられた。ネットで見て、貧困対策のため何かしたいと遠くから駆けつけた大学院生は、市民連合の取り組みや会議にも参加したいという。

 普段つながりのないグループ、個人が次々に協力を表明し、コロナ被害に立ち向かう運動の広がりを体感できるものとなった。

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