2021年01月15日 1657号

【MDS神奈川集会―私がMDSに加入した理由 大人としての責任を果たすため】

 12月13日横浜市内でMDS(民主主義的社会主義運動)神奈川集会が開かれ、昨年MDSに加盟した人たちからも様々な思いが語られた。その一人に寄稿してもらった。

 私は子どもたちへのシティズンシップ教育(市民の権利と社会参加のための教育)に関心があり、かつて中高生向けのイベントの企画や運営を仕事にしていました。子どもたちに社会課題や困っている人々に関心を持ってもらい、その解決のために考え、実行する機会を作ることで、より良い将来につながるのだという思いがありました。

 けれどもその仕事を何年も続けている中で、何だか次第に自分が詐欺師のように思えてきました。子どもたちに対して可能性は無限にある、未来は変えられる、と言いながら、私自身が生きている「大人社会」は悪化の一途です。政治と切り離した世界でいくら思いを伝えても、子どもたちが放たれる社会は、彼らの気持ちや行動にふたをすることばかりです。

 人生に立ちはだかる様々な制限や障害に抗うのではなく、上手に付き合おうと思うと、最終的には「今だけ、自分だけ」という新自由主義に辿(たど)り着きます。ある意味優秀な子はその流れに乗れるかもしれませんが、多くの子どもがこぼれ落ちています。大人社会の様々な障害は、大人の責任として取り除いていかなければなりません。それを実行するため、私はMDSに加入しました。

 新参者からあえて言わせて頂ければ、MDSは「意識高い系」で面倒くさい大人の集まりです。ミーティングやイベントが多くてフルタイムワーカー&シングルマザーの私がフルコミットすることは難しく、各地から寄せられる多様で深刻な情勢報告にめまいと無力感さえ覚えます。ただ驚き、尊敬するのは、誰一人としてあきらめていないこと。あくまでも前向きで粘っこい方々とともに学び、行動していくことで、私自身も社会変革をあきらめず、責任ある大人へ成長していきたいと考えています。

(MDS神奈川・藤川祥子) 
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