2021年01月22日 1658号

【コロナ禍 建設続く新基地も 戦争もNO 辺野古連帯訪問で声上げる若者 ZENKOユース平和参加団in沖縄(1)】

 1月8〜11日、「ZENKOユース平和参加団in沖縄」を開催し、9人が参加しました。

 新型コロナウイルスの新規陽性者数が過去最高となる中、実施延期も検討しました。しかし、「自助」強制ばかりの菅政権は医療・検査体制の拡充や生活補償も行わず、コロナそっちのけで辺野古新基地建設が続けられています。私たちZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は声を上げなければ殺される≠ニいう状況の中で、委縮するのではなくスピーキングツアーや中央省庁・各自治体への要請行動などを実施してきました。今回のユース参加団も、現地受け入れ側の了解―相談の上、毎日の検温、食事を弁当に変更など感染拡大防止対策を徹底して実施しました。

戦争への憤り改めて

 1日目の南部戦跡では、沖縄戦での数字では見えない一人ひとりの人生に触れました。沖縄師範健児の塔に刻銘されている宮良英加さんは、当時、戦争に対して懐疑的でした。教員の夢を持っており、戦闘で負傷し右手が腐り始めても「チョークを持つために切らないでくれ」と訴えました。結局、右手を2回も切りましたが衛生状況が悪く亡くなってしまいます。

 軍国主義教育の中でそれに染まらず、自分で考える力は現在の新型コロナ、また資本主義社会を生きぬく上でも重要です。一方で、疑問を持っていても戦争に巻き込まれてしまう社会状況でもあり、生まれた時代が数十年異なるだけで自分たちと同世代の若者の夢や青春が戦争で奪われたことに強い憤りを感じました。

ドローンで現場を確認

 2日目は、新基地建設が進む辺野古を奥間政則さん(沖縄ドローンプロジェクト)に案内して頂きました。辺野古の浜から見える護岸は、8bと完成時の高さまでテトラポッドが。グラスボートで大浦湾を巡ると、冬場は透明度が高くアオサンゴやテーブルサンゴなどがよく見えました。しかし、フロート内には大型船「デッキバージ」が停留し、K9護岸では土曜日のこの日も台船で運搬された土砂を数十台に連なるダンプカーに積み込む作業が続けられ、工事が加速していることを実感しました。

 土砂搬出現場の名護市安和(あわ)桟橋ではドローンを実際に飛ばし、上空から現場を確認しました。奥間さんは「今後、沖縄県と国との法廷闘争になれば、理論武装することが必要だ」とドローンを活用した闘いの重要性を強調しました。

 新基地の多額の工事費用には私たちの税金が使われています。新型コロナの影響で、学生はオンラインなのに授業料は減額されない、アルバイトが減らされるなど生活に困窮しています。感染が不安でも容易に検査を受けることもできません。今こそ、軍事費ではなく新型コロナ対策に、と声を上げることが重要です。

(ZENKO共同代表・田中拓真)    《続く》



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