2021年01月29日 1659号

【原発賠償京都訴訟控訴審弁論 被害実態や法の無視をただす】

 1月14日、大阪・京都・兵庫に対して緊急事態宣言が追加された日、原発賠償京都訴訟の控訴審第8回期日が大阪高裁で開かれた。コロナ感染の影響で傍聴席が制限される中、約30人の傍聴者が結集し弁論を見守った。

 法廷では、昨年末の裁判長交代を受けて、今回は原告側だけでなく被告の国・東京電力もプレゼンテーションを行なった。

 原告側は、(1)中間指針は被害の実態を反映していないこと(2)公衆被ばくの線量限度(国内法)を無視した一審判決の誤り(3)年1_シーベルトは「到達可能な最高水準の健康」(国際人権規約―社会権規約)の一つの基準を示したもの―をプレゼン。

 これに対し、国はこれまで同様の言い訳を繰り返した。東電は、区域ごとに損害の大きい人を想定して一律で賠償しており、実損害より多く支払っているケースもあるなどと主張。この東電の主張に対し、原告側代理人は「これまでの主張と違うのではないか」と追及し、これを受けて裁判長が東電に「これまでに提出した書類のどこに書いてあるのかを整理して提出」するよう命じ、閉廷した。

 当日報告集会はなかったが、別会場からは、事前に録画したプレゼン動画がズームで配信され、現地に来られなかった原告・支援者が視聴参加し、交流した。

 次回期日は3月18日、次々回は6月17日(いずれも14時30分開廷)。

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