2021年01月29日 1659号

【韓国青年とオンライン交流 コロナ禍でも志を共有 ZENKOユース平和参加団in沖縄(2)】

 前号に続き、「ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)ユース平和参加団in沖縄」から報告が寄せられた。(6面に関連記事)

 3日目、1月10日は伊江島へ。現地で活動する大畑豊さんのガイドで、反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」、「団結道場」を訪問しました。

 伊江島では、激しい戦闘により島民の2人に1人が死亡。戦後、島のほとんどが米軍基地として接収されましたが、反戦地主・阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さんを中心とした伊江島の住民による非暴力の闘いで、米軍から土地を取りもどしていったとのこと。米軍敷地内の農地や家も、阿波根さんたちの闘いの結果認めさせたものだと知り、驚きました。

 わびあいの里では、理事長の謝花(じゃはな)悦子さんから、お話とともに「若い人が戦争を知り平和のために活動する姿に希望をもらった」と逆に励まされ、用意した激励の横断幕を受け取っていただきました。戦争を繰り返させないために私たちの世代が何をすべきかを考えさせられました。

 読谷村(よみたんそん)ではチビチリガマを訪問。ガマに残された遺品を目の当たりにし、集団強制死に追いやられた方々の無念さ、軍隊は住民を守らないこと、捕虜になるくらいなら死を選ばせるような軍国教育の異常さを考えました。「恨(ハン)之碑」では、朝鮮半島から連行され沖縄戦に動員された方々を追悼しました。

共に悩み乗り越えよう

 夜は、これまでユース参加団を共にしてきた韓国・対案文化連帯の青年、沖縄に来れなかった日本の青年を、オンラインでつないだ交流会です。まず、この3日間の行動を報告し、学んだことを共有。また、日韓それぞれがコロナ禍における活動報告を行いました。

 韓国からは、セウォル号事件の真相究明を求める街頭行動や、光州(クヮンジュ)事件等に関する本の読書会、映画鑑賞会、差別禁止法制定のための「平等バス」行動、コロナ禍の青年の労働を考えるインタビューなど多様な活動が語られ、刺激を受けました。日本側からは、中央省庁や自治体への要求を通じて権利を勝ち取る活動、スピーキングツアーなどの活動報告をしました。

 日韓青年の置かれた状況についての交流が続きます。日本の参加者は「コロナでオンライン授業となっても授業料はそのまま。アルバイトのシフトも減らされ、生活費・学費が稼げない」。韓国側からも「韓国の青年も同じ状況。一番の被害者は大学生だ」。日韓の青年がコロナ禍で同じ境遇にいることを確認しました。活動に青年がより積極的に参加するためにどうするかという課題についても、これからも日韓の青年が悩みを共有し合い乗り越えよう、と提起されました。

 日韓青年が共同で作ってきたユース参加団。今回もオンライン交流会という形で実現し、お互い離れた場所にいても、志を一つに共に闘っていくことを確認できました。この交流を踏まえ、2021年日韓青年の共同行動方針を韓国青年と議論し実践していきます。

(ZENKO共同代表・河辺友洋)    《続く》



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