2021年02月05日 1660号

【ZENKOユース平和参加団in沖縄(3) 現地から参加団を担い交流 同世代のガイドにも励まされ】

 新型コロナ感染が全国にまん延する厳しい状況下で、ユース参加団を開催するべきかどうか、メンバーからも賛否両論があがり、受け入れ側の現地スタッフとして非常に難しい選択を迫られた。仮に沖縄で感染した場合にどう対応し責任を取るのか。全日程を終えるまで正直不安しかなかった。

 しかし、ZENKOではこれまでコロナ禍の下でも様々な催しを感染防止対策を徹底して運営してきた。その経緯と、厳しい状況下でも参加を決意した初参加を含む若者メンバーの期待にぜひ応えたいという思いで、開催を決断した。

 1月8〜11日の4日間を通じて多くのガイドの方にかかわっていただき、素晴らしい内容となった。

 2日目、土木技術者の奥間政則さんは、自身が運動を始めるきっかけとなった両親のハンセン病に触れ、いまだに差別が根強く残ることを訴え、スピーキングツアーでは聞くことのできない貴重なお話だった。

 3日目は、ユース参加団初となる伊江島を巡った。「わびあいの里」の謝花悦子さんから、コロナ禍で政治家は今何をなすべきかという問いと、私たち若者世代へのエールが送られた。

 4日目のガイド、嘉手納基地爆音差止訴訟原告団事務局長の平良眞知さんと、普天間基地爆音訴訟団事務局長の玉元一恵さん。米軍機による事故、爆音、有機フッ素化合物PFOSによる環境汚染などあらゆる方面から生活が脅かされている現状と「静かな夜」を求め現在も裁判闘争を続けていることをそれぞれ話された。説明時に爆音で声がかき消されるほどひっきりなしに米軍機が飛行していたのも、印象的だった。

語りの力を実感

 私たちと同世代のガイドとして、沖縄平和ネットワークの大田光さんと第32軍司令部壕の保存・公開を求める会事務局の仲村涼子さんにも協力いただいた。戦争体験者が少なくなる中、次世代として語り継ぐ大切さ、語りの力を実感し、同世代として刺激を受けた。私自身も本当に勉強になり励まされた。

 コロナ禍にもかかわらず快く引き受けてくださったガイドのみなさんには改めて感謝にたえない。

 今回、本当に運営できるのだろうかと不安だったが、参加者それぞれが役割を発揮し、またオンラインというツールを使って無事に終えることができた。ユース参加団を開催し、ガイドの貴重なお話を聞く機会や出会いがつくれたことを、心から良かったと思う。

 残念ながら参加できなかったメンバーも、次回、コロナが落ち着いた時には、ぜひ一緒に参加できるように願っている。

(ZENKO沖縄・新垣仁美)



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