2021年02月12日 1661号

【議会を変える 東京都足立区議 土屋のりこ 委員会質疑で制度をつくる】

 まず、大阪・茨木市議選当選の山本よし子さんおめでとうございます。民主主義的社会主義をめざす議員が増え、うれしいです。

 さて足立区ですが、いよいよ4月から「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」が始まります。9月に自民党区議による性的少数者差別発言が起こった時はパートナーシップ導入までたどり着けるとは思いもよらず、隔世の感があります。とりわけ同性パートナーとその子どもの関係を公的に認証する「ファミリーシップ」が導入されるのは全国2例目であり、23区では初。足立区はセクシャルマイノリティ政策でトップクラス入りするまでになりました。

 そのファミリーシップをめぐり、1月18日の総務委員会で最後の攻防がありました。委員会に示されたのは、「ファミリーシップ」の文字が入っていない単なる「足立区パートナーシップ制度要綱」。説明の資料には文字があるものの、でき上がる要綱や当事者に渡されるパートナーシップ宣誓カードには「ファミリーシップ」の文字が入らない予定であることが、私の質疑で明らかになりました。これでは当事者の求めを汲んでいないと考え、「きちんとファミリーシップの文字を要綱に明記してほしい。まだ案なのだから、当事者の思いを受け止め改善してほしい」と求めました。

 委員会に傍聴に来ていた当事者の方たちとすぐに相談し、ファミリーシップの言葉が入るよう区へ要望書を出そう、議会にも陳情を出して求めようと準備に取りかかりました。

 翌日、確認のため担当課に連絡すると、「委員会後、区長から指示があって『ファミリーシップ』の言葉を入れることになった」と。「よかった!!! うれしい」「ほっとした」と、当事者たちから歓喜の声を受けました。

 細かな委員会質疑ですが、制度を当事者のものとするために役割を果たせうれしく思います。言論の府である議会の言葉は重いと、職責を実感した1週間でした。

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