2021年02月12日 1661号

【みるよむ(574)イラク平和テレビ局in Japan 2021年1月30日配信 サミール・アディル 連帯メッセージ 人間第一の社会主義と国際連帯を】

 2021年1月、サナテレビを通じてイラク労働者共産党サミール・アディル書記長が日本と世界の社会変革の運動に年頭メッセージを寄せた。サミールさんは、コロナ危機の下で、人びとの命を奪う資本主義体制やファシズムの動きへの対案として、人間を第一とする社会主義と国際連帯を訴えている。

 まず、2020年の世界の状況を振り返る。新型コロナウイルスの全世界的大流行によって多くの人の命が奪われ、何百万何千万人もの労働者が失業した。この状況は2021年になっても続いている。ところが、現在の資本主義システムは利益を上げることしか関心がなく、そのため「資本主義下の医療制度が人間に全く敵対している」とサミールさんは厳しく批判する。

 イラクでは、公立の病院がつぶされ高額治療費の民間病院が急増している。アメリカ、ヨーロッパ、日本でも公的医療が破壊され、コロナ危機で犠牲者は莫大な数に上る。全世界が共通の課題を抱えているのだ。

 サミールさんはこの状況を変える「困難で巨大な任務」が社会主義者とその運動、政党にかかっていると指摘する。

自分たちの展望を

 トランプは人種差別ポピュリズム運動を展開した。その「アメリカファースト」とは「国家主義ファースト」だ。これこそ20世紀に台頭したファシズムを再び準備するものである。この状況もまた、全世界で広がっている。

 「だからこそ自分たちの展望を独自に持たなければならない」と語るサミールさん。トランプ再選を阻止したのはアメリカの産業労働者であったこと、「人間ファースト」の社会を作り出すのが社会主義であることを強調する。

 2021年、サミールさんはこうした社会変革を国際連帯で進めようと訴える。日本からも応えたい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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