2021年02月12日 1661号

【虚構のための犠牲 「国益」でなく人間を守れ】

 民主主義とは。立憲主義に基づく法の支配とは。ユース参加団in沖縄に参加し、目にした国家的暴挙に、学校で学んだことはただの理想論だったのかと思わされた。民意を無視し、強行される辺野古新基地建設やその過程で繰り返される政府や翼賛企業等の違法行為。日本という国民国家の起源である「一君万民」論による中央集権化の本質が、戦後全く変わっていないのではないかと思わされるほど、一番尊重されるべき沖縄県民は、沖縄戦という悪夢を経て今もなお、軍拡や基地被害に抑圧され続けている。

 そもそも国や政府というのは私たちが作り出した意識のない虚構≠ノ過ぎない。おそらくどんなときも苦しみを感じるのは、現実である生物だけだ。虚構=\実態のないもののために、現実に生きる人間やその他の生物の生命をないがしろにする価値があるのだろうか。国民国家とは、いわゆる「国益」のためではなく、現実である人間の生活を守るためになければならないのではないのか。

(ZENKO広島・N)
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