2021年02月12日 1661号

【市民が大阪市と団体協議 命そっちのけの「一元化」条例を追及 まずコロナ検査拡大だ】

 「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」は1月25・28日、大阪市と団体協議(交渉)を持った。

 25日はまず港湾局、建設局、都市計画局、IR推進局。コロナ禍で市財政が637億円も減収する中、カジノ推進のための夢洲(ゆめしま)埋め立ては中断を要請した。工事費用756億円も増加が報道され、さらなる費用増もあるのでは、と追及すると、市側は地震や液状化などへの対策と開き直る。費用増加の可能性は否定できず、大型開発に市民の税金をつぎ込む姿勢に参加者はいっそう憤った。

 続いて健康局と福祉局との協議では、大阪市が発表した2万人規模の特別養護老人ホームや老健施設スタッフへの行政検査について質問した。小規模デイサービスや通所施設は除かれスタッフ6万人のうち2万人だけ。利用者も対象外だ。早急な検査拡大を訴えた。検査は進まない一方でワクチン準備のみ進める健康局に「行政検査や社会的検査の拡充が先」と強く求めた。

 28日は、副首都推進局、経済戦略局と協議。「広域行政一元化」「総合区」条例案などについて、府に移管する7分野の事業内容や担当部署などをただしたが、一切答えられない。「『一元化条例』は『理念条例』のようなもの」の回答にみなあきれる。そんな条例を維新・公明議員で強行、4月施行という民意無視の暴走に抗議が噴出した。

 看護師のOさんは「コロナで大変な時期に、なぜ都構想などにこだわるのか理解できない。娘も看護師として十三(じゅうそう)市民病院で働いてる。退職者も多く、自身もタクシー乗車拒否に会いながらも必死に踏ん張っている。だからこそ、コロナ収束に懸命に取り組んでほしい」。切実な声に、担当も神妙な面持ちでうなづいた。
 コロナ死亡者ワースト、医療ひっ迫状況もそっちのけで「一元化」「総合区」に邁進する市。市民の切実な声を何度でもぶつけ、変えさせるしかない―参加者は改めて確認した。

 (総合区案の2月議会提出は見送られた)

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