2021年02月26日 1663号

【ジェンダー平等の社会をつくる好機/3.8国際女性デーのつどいへ】

女性蔑視を許さない

 オリンピック・パラリンピック組織委員会森喜朗前会長の差別発言とそれへの政府の対応は、いかにジェンダー問題をないがしろにしているかを示すものだ。「女性がいる会議は時間がかかる」との森発言は、女性に対する偏見と差別から来ていることは明らかだ。菅首相をはじめ閣僚から責任を問う声がでなかったことは、ジェンダーギャップ指数が世界121位にとどまっている原因にもつながる。政治や意思決定の場から女性を締め出そうする考えが女性の社会進出を阻んでいる。森暴言への抗議があっと言う間に広がり辞任に追い込んだのはジェンダー差別を許さない運動の成果である。ただ、会長のすげ替えに終わらせてはならない。

 この問題で多くの女性が立ち上がり行動を起こしたことは、ジェンダーに関する制度を一気に変えていくチャンスでもある。今国会で、選択的夫婦別姓を認める民法の改正や女性差別撤廃条約「選択議定書」の批准などを実現しよう。地方議会からの意見書採択など、地域からの女性の連帯したたたかいで、ジェンダー平等政策を推し進めよう。

女性が連帯する運動を

 私たちは3月8日に、国際女性デーのつどいを持つ。コロナ危機による女性たちの貧困と格差拡大の中で、連帯し乗り越えていく展望を持てるつどいにしたい。貧困・労働問題に詳しいジャーナリスト竹信三恵子さんの「女性を直撃したコロナ災害‐どう切り拓くのか」と題する講演を予定している。

 「コロナは重点的に女性に負担をかけている」と述べる竹信さん。サービス系・対人ケアを担う非正規の女性がコロナの中で真っ先に打撃をうけている実態を取材した。シングルマザーは心的ストレスを抱え、深刻な影響を受けていている。女性が安心して働き続けられるよう公的セーフティネット拡充を提唱する。

 竹信さんは「活躍できていない女性の問題がどこにあるのかを追及し、変えていく運動を意識してすすめないと、自己責任社会の中でみんな捨てられていく」と鼓舞する。コロナを乗り越える運動をつくりだして行かなければならない。

(OPEN<平和と平等を拓く女たちの絆>・山本よし子)

3・8国際女性デーのつどい

 3月8日(月)18:30 エルおおさか709(大阪/京阪・地下鉄「天満橋」駅)(オンライン参加も可能)

主催 女性デーのつどい実行委員会 連絡先 080-3113-2304(山本)

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