2021年03月05日 1664号

【1664号主張 大規模検査・医療・補償こそ必要 ワクチン接種を強制するな】

安全性、効果は未検証

 2月14日、政府はファイザー社の新型コロナウイルス感染症ワクチンを医薬品医療機器等法に基づき特例承認した。17日から医療従事者への先行接種が始まり、4月以降、65歳以上の高齢者に接種する予定だ。

 特例承認とは、正式承認とは異なり、国内未承認の新薬等を海外データをもとに通常よりも簡略化した手続きで認めることだ。コロナワクチンはどの国も正式承認ではない緊急使用承認で、日本国内の臨床試験の治験データはわずか160例にすぎない。厚生労働省は医療従事者に先行接種しながら安全性や副反応などのデータを集計し、来年3月まで1年2か月かけて研究するという。安全性と有効性の検証はこれからだ。

 にもかかわらず、菅政権はワクチンが「コロナ対策の決め手」と宣伝し、接種は義務であるかのように強制圧力をかけている。

受ける、受けないは自由

 安全で効果的なワクチンができることはよいことだが、現在その科学的検証は不十分だ。体内に異物を投与し免疫反応を誘導する以上、100%の安全性はない。ワクチン接種後の死亡例は、ノルウェーでの4万2千回投与後の33件をはじめ、米国で1170件(2/7)、英国233件(2/10)の公式発表がある。ワクチンによる健康被害や死亡のリスクと感染被害のリスクのどちらが高いか、一人ひとりにとって重大問題だ。

 政府は接種を「努力義務」とするが、受ける、受けないは自由だ。接種するか否かによる社会的不利益や差別は許されない。政府・自治体に、強制するな、安全性・効果等すべての治験データを公開せよと求めよう。

今すぐ医療に財政投入を

 新型コロナ感染拡大を抑え込むためには、無症状者を含め感染者を早期に大規模検査で把握し、適切な隔離、医療的な保護におくことが基本だ。政府のPCR検査抑制の誤りを正さなければならない。コロナ感染症対策分科会の尾身会長ですら、無症状者に焦点を合わせ感染源を早くつかむ検査実施を言い始めている。

 自民党は1月に党本部職員が感染し、勤務する全職員約200人にPCR検査を実施し感染拡大を抑えた。同じように大規模検査を地域でも施設でも実施する政策をとるべきだ。

 自宅療養などでの死亡をなくすため、ただちに公費を投入し医療スタッフを拡充しなければならない。厚労省の対策は、原則禁止である看護師の日雇い派遣を4月から認めるというものだ。これでは劣悪な賃金・労働条件が拡大し、医療ひっ迫はなくならない。また、検査や療養、休業で収入が減る市民に対し、政府は補償しなければならない。

 2021年政府予算案を組み替え、検査、医療の大幅拡充と補償を実現する闘いを進めよう。

  (2月22日) 
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