2021年03月12日 1665号

【介護現場へ安心できるサポートを 来訪した市当局に当事者が訴える 大阪・枚方市】

 2月5日に介護施設のPCR検査拡充等を求め8回目の対市要請行動を行い、改めて面談での対応を申し入れた。私たちは、クラスターが起きた地域の小規模介護事業所(グループホーム)から、感染者が入院できず事業所で看なければならなかった深刻な状況を聞いていた。市の担当者も当事者の声をぜひ直接聞いてほしいとの思いだった。

 それが2月24日に実現した。「市民の会」事務所を担当者が訪れ、介護事業所の当事者とともに「市民の会」からは4人が参加した。

 市の担当者から、昨年12月議会で新規の施設入所・入居者に実施となったPCR検査を、3月議会では今年度に1回、入所・入居施設の全従業員に実施することになるとの話があった。私たちが求めていた在宅サービスの事業所への拡大までにはならなかったが、確実に前進を作り出している。

 事業所の方は、医療施設ではない介護施設で感染者を看ることがいかに大変か、家に帰れず2週間施設に泊まり込んで対応にあたったことなど、涙ぐみながら話した。「行政の電話だけの対応に怒りを感じた。施設からは電話してもつながらない。電話する時間も気力もなくなり、結局、施設個別で乗り切るしかなかった。一番訴えたいのは、安心できる行政の組織的なサポート体制の構築だ」

 今回、当事者の声を直接行政に届けられたのは本当によかった。訴えた苛酷な事態は再び繰り返させない。利用者の尊厳を最大限守り日々奮闘する介護事業所が希望を持てる市政を共につくっていきたい。

(平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会・松田久子)
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