2021年03月19日 1666号

【介護現場から市に声を届け 施設職員の一斉検査を実現 西宮市】

 兵庫県西宮市でも、1月に高齢者施設で3件の集団感染(クラスター)が発生しました。従来からの市の対応では、感染拡大を防止することができていない事実から、定期的なPCR検査を求めて1月29日、市に対して「重症化リスクの高い介護施設・高齢者施設に対する西宮市の対策への要望」を提出しました。

 担当課は「定期的な検査は考えていない」と明言し、緊急事態宣言を理由に対面での交渉には応じられないとの対応でした。これに対し、現場の声を聞くべきと連絡。2月1日に直接行って現場職員が訴えました。

 「介護の現場で、入浴のときに通所者さんにマスクをさせられないし、体に触れての仕事になる。いつ感染するか分からないのでPCR検査が必要」「幼い娘を保育所に通わせながら、高齢者介護施設に勤めている。夫も福祉施設に勤めているので、職場でも保育所でも家庭でも感染しないかとずっと心配だ。安心して介護の仕事ができ、子育てができるように、定期的な検査をしてほしい」などの声を担当課に伝えました。

 その頃、厚生労働省から入所施設職員の一斉検査についての通知がありました。西宮市から2月18日に回答があり、入所施設だけでなく通所・訪問の施設の職員も一斉検査の対象になりました。厚労省通知には含まれていなかった通所・訪問施設も対象になったことは、今回、通所施設の職員が声を上げて、市に要請に行った成果だと考えています。

 しかし、1回だけの一斉検査にとどまり、定期的な検査は予定されていません。私たちは、引き続き現場の声を伝えることによって行政を動かしていきます。

(ZENKO兵庫・松谷卓人)

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