2021年04月02日 1668号

【1668号主張 宣言・罰則、ワクチンでなく/検査・医療・補償こそ対策だ】

宣言解除 特措法廃止へ

 3月21日、1都3県への緊急事態宣言は解除された。宣言は、感染拡大を招いた政府の責任を市民や事業者に転嫁し人権を制限するもので、発出・延長に科学的根拠も感染抑制効果もないことが一層明らかになっている。解除は当然だ。

 宣言措置の根拠である改悪新型コロナウイルス特別措置法や改悪検疫法は、陽性者中の入院拒否者、休業・営業時間短縮命令に反した事業者に罰則を科すことを可能とする。実際3月18日、小池都知事は、要請に応じない飲食店に特措法45条の営業時間短縮命令を全国で初めて出した。恣意的懲罰を狙う危険な動きだ。

 罰則付き特措法は廃止し、科学的根拠に基づく検査・医療・補償拡大こそ急がなければならない。

菅政権のコロナ無策

 感染再拡大の兆候にもかかわらず、必要なコロナ対策はとられないままだ。

 菅政権は、病床・病院、医療従事者の削減など新自由主義的医療破壊攻撃を今も続けている。これが、PCR検査を抑制し医療拡充を拒む根本的原因だ。日本の10万人当たり検査数は6881人(3/20現在)。10万人当たり米国11万人、英国16万人など世界と比べると異常なほど少ない。

 政府が「決め手」と言うワクチンの安全性・効果は今も検証されていない。3月11日、厚生労働省が公表した接種後のアナフィラキシー(生命を脅かすほど重度のアレルギー反応)は、6千人に1人という高頻度だ。世界で問題が噴出し、接種後の米国での死亡例は疾病センター発表(3/16)で1913件。ファイザー社製に続いて日本で配付予定のアストラゼネカ製ワクチンは、欧州15か国などで接種が一時中断された。

 接種は自由意思によるべきであり強制は許されない。

命と生活を守れ

 必要なのは、大規模、定期的検査拡大と陽性者の保護、医療体制の拡充であり、待ったなしの生活保障だ。

 自治体レベルでは命と健康を守る取り組みが広がっている。東京・世田谷区は保健所職員を181人から333人へと倍増。医師会と協力して検査センターを立ち上げ、社会的検査拡大をめざす。墨田区は区立の新型コロナ外来を開き、検査・医療体制強化で陽性者の自宅待機ゼロを実現した。島根県では陽性者の行動を2週間前までさかのぼり感染可能性のある全員検査を徹底。666人の検査で全員陰性を確認した例もある。

 変異株も含めた感染拡大を防ぐため、全国知事会はPCR検査の強化を国に提言している。

 地域で対話を広げれば切実な要求が噴出する。命と生活を守れと声を上げコロナ対策を求める闘いは、菅の新自由主義路線に対し根本的転換を迫る意義を持つ。全国から政府・自治体要請を強めよう。

  (3月22日) 
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